八条学園騒動記
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第七百六十七話 口臭その六
「一番は黄色ね」
「やっぱりその色ね」
「蒲公英はね」
「あんた黄色が好きな感じするし」
「するの」
「何となくね」
今度はアロアが笑って話した。
「そうした感じがするから」
「そうそう、私実際にね」
「黄色好きなのね」
「色はね、だから蒲公英もね」
一番好きなこの花もというのだ。
「一番好きな色は黄色よ」
「そうなのね」
「それでね」
ナンはさらに話した。
「食べられるしね」
「馬が食べるのね」
「人間も食べるわよ」
「ああ、そうよね」
アロアはナンの笑顔の言葉に彼女も笑って応えた。
「蒲公英って食べられるわね」
「そう、だからね」
「そのこともあって」
「蒲公英好きなの」
「そうなのよ、しかもビタミンあるし」
蒲公英はというのだ。
「それでね」
「尚更好きなのね」
「そうなのよ」
「そういうことね、栄養ね」
「やっぱり栄養摂らないとね」
「駄目よね」
「今は食べもの豊富だけれどね」
モンゴルの草原でもというのだ、羊肉や乳製品ばかりではないというのだ。
「お茶はティムール様の頃に定着したけれど」
「今度はその人ね」
「あの方が生水飲むなと言われて」
衛生を考えてのことである、生水はあたるからだ。
「それでお湯を飲んでいたけれど」
「沸騰させた」
「それじゃあ味気ないから」
沸騰させた湯即ち白湯はというのだ。
「だからお茶の葉を入れてね」
「お茶を飲んでいたの」
「そうだったけれど」
それがというのだ。
「それが定着してね」
「モンゴルでもお茶飲むのね」
「お茶に馬乳を入れて」
そうしてというのだ。
「飲むのよ」
「そうするのね」
「それで今もそうして飲んでるけれど」
「蒲公英も食べるのね」
「私はそうしてるのよ」
「モンゴル全体だと」
「食べる人多いわよ」
そうだというのだ。
「ワイルドなお国柄だし」
「草原で暮らしていて」
「食べられるならね」
「お花も食べるのね」
「ええ、ただこだわりがあって」
それでというのだ。
「やっぱりメインは羊肉とね」
「乳製品ね」
「食べるものはね」
「遊牧してるとそうなのね」
「そう、お茶とね」
「昔ながらの生活ね」
「幾ら科学が入って」
その生活にというのだ。
「毎日お風呂に入って歯を磨いて」
「お洗濯もしてるわね」
「ええ、そしてパソコンやスマートフォンがあっても」
そうであってもというのだ。
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