ドリトル先生と奇麗な薔薇達
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第九幕その二
「言ってみたのですが」
「閃きですね」
「そうでした、考えていますと」
「閃くこともありますね」
「そうです、ただ私は思いつきはです」
それはといいますと。
「好きではありません」
「思いつきで何か言って行うと」
「そうするとですね」
「よくないですね」
「思いついてもです」
先生に言うのでした。
「それを言ったり行うと」
「悪いことになりますね」
「よくです」
先生にさらに言いました。
「それで自分に悪い結果をもたらしたり」
「周りにも迷惑をかけますね」
「思いつきはよくないですね」
「全く以て」
「ですが」
それでもというのです。
「閃きは、ですね」
「素晴らしいものです、閃きは何かをしていたり考えていて」
「そこで神様がもたらしてくれますね」
「思いつきは何もしていなくて」
「思いついてですね」
「何も考えず動き人にやらせるもので」
先生も言います。
「閃きとは違います」
「いいか悪いか検証しないので」
「それはです」
どうにもというのです。
「最悪のです」
「結果をもたらしますね」
「時として」
「そうですね」
「ですが閃きは下地がありまして」
「神様が与えてくれるものなので」
「いいのです、似ている様で」
「実は違いますね」
「今エンベルグさんにもたらされたのは閃きです」
思いつきでなくというのです。
「ではその閃きからです」
「思いつかれますか」
「そうします」
まさにというのです。
「必ず」
「そうしてくれますか」
「赤と白で薔薇をモチーフに造られたものを」
「そうしたものをですか」
「考えさせてもらいます」
「お金はありますし」
エンベルグさんはこちらのお話をしました。
「それにです」
「造ってくれる人もです」
「宝石や金物の」
「宝石!?」
そう聞いてです、思わずです。
今度は自分が閃いたと思いました、ですが今は言わず。
エンベルグさんにそれではと言葉を返しました、そしてエンベルグさんが退室して職場の動物園に戻ってからです。
今も一緒にいる動物の皆にです、こう言いました。
「閃いたよ」
「今度は先生がなんだ」
「先生が閃いたんだ」
「そうなったんだ」
「そう、そしてね」
それにというのです。
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