星河の覇皇
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第八十七部第二章 膠着状態に入りその一
膠着状態に入り
オムダーマン軍はアバダン星系に掌握しその星系の基地化に力を注いでいた、そしてティムール軍も予備選力を動員し前線に編入していっていた。
その動きは各国の観戦武官達にも見られていた、それで今連合各国の観戦武官達は日本軍の艦で催されているパーティーの中で話した。
「さて、一時ですが」
「はい、両軍は動きを止めました」
「オムダーマン軍は基地化を進めていて」
「ティムール軍は再編成に入っています」
「それで双方前線を固定させ」
「そして今は膠着状態になっています」
この状況を確認するのだった、見れば場には寿司や刺身それに茶碗蒸しやうどん、天麩羅といった日本の料理が用意されている。
「そしてその間にです」
「両軍は戦闘態勢を整え」
「そうしてですね」
「オムダーマン軍はアバダン星系を拠点にし」
「ティムール軍は失った戦力分を補充して」
「その後で再び行動に移り」
「戦闘ですね」
再びこれがはじまるというのだ。
「そうなりますね」
「ではそれまではです」
「両軍は動かず戦闘もない」
「我々は戦闘を観ることはないです」
即ち観戦はないというのだ。
「観るのは両軍の動きで」
「それを報告していきますね」
「では見守りながら」
「報告をあげましょう」
こうした話をした、ただ。
マレーシア軍の士官、大尉の階級にある者が場にあった日本酒本格的に日本の杯に入っているそれを口にしてから述べた。
「我々は見ているだけですが」
「はい、報告をあげるだけで」
「それだけで、ですね」
「彼等とは違いますね」
「実際に戦っている彼等とは」
他の国の士官達も述べた、皆立って飲んで食べている。そうしつつ話しているのだ。そうして楽しんでもいる。
「違いますね」
「彼等は命がかかっています」
「そして国の存続も」
「まさに必死です」
「全てを賭けています」
「その彼等と比べてです」
まさにというのだ。
「我々はです」
「気が楽ですね」
「命懸けでないですから」
「それを考えるとです」
「我々は気楽ですね」
「左様です、気楽なので」
言うならそうだというのだ。
「この様にです」
「パーティーも開けてです」
「こうして楽しんで、です」
「英気を養うことも出来ます」
「命を賭けてはいないので」
「そうです、彼等は必死ですが」
マレーシア軍の大尉は飲みながらさらに言った。
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