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神々の塔

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第七十八話 光の神その十二

「成敗を与えている、総出でだ」
「成敗していますか」
「試練でなくな」
「そうなんですね」
「力は持つべき者が持つべきでだ」
 そうであってというのだ。
「持つべきでないならだ」
「それでも欲しいと言うなら」
「成敗するしかない」
「そうですか」
「それでも諦めないならだ」
 その時はというと。
「滅ぼす」
「そうしますか」
「そうだ」 
 綾乃に答えた。
「さもないと害になる」
「持つべきでない人が持つと」
「殺人鬼に刃を持たせるか」
「そういうことですね」
「若し己のことしか考えず」
 そうであってというのだ。
「他者や国がどうなってもいい」
「自分さえよければ」
「そうした輩に力を渡すとどうなる」
「その国は滅びます」
「最悪な、だからこそだ」
「そうした人はですか」
「この塔に来てもだ」
 綾乃達の様にというのだ。
「成敗してだ」
「追い払いますか」
「何度もな、例え我欲そのものでだ」
「その為に何でもする」
「あくまで手に入れようとしてもな」
「成敗して」
「最悪滅ぼしてもだ」
 そうしてもというのだ。
「力は渡さない、力はだ」
「持つべき人が持つべきですか」
「我等はそうするが人と人でもだ」
「そうすべきですね」
「そこを過つとな」
 その時はというと。
「取り返しのつかないことになる」
「自分のことしか考えへん人を国家元首にしたりして」
「我欲を貪りだ」
 そうであってというのだ。
「国がどうなろうと知ったことではない、世界もな」
「どうでもええ」
「そこまで至ると人ではない」
「怪物ですね」
「そこまで至った輩もいるのだ」
 人の世にはというのだ、悪人はまだ『人』であるが人ですらなくなっている怪物も人の姿を借りているということだ。
「そうした輩は見極めてだ」
「力を与えへん」
「一度力を与えるとな」
 その時はというと。
「取り上げてもだ」
「取り返そうとあがきますね」
「そうなる、一度力を持つと取り上げることも容易ではなく」
「あがきますね」
「そして厄介なことになるからだ」
「最初からですね」
「そうした輩は見極めるのだ」
 そして力を与えるなというのだ。
「いいな」
「そのことも肝に銘じておきます」
「政でもな、ではだ」
「はい、先にですね」
「行くのだ」
 アフラ=マツダは最後にこう告げた、そうしてだった。
 一行を送った、綾乃達はまずは休み先に進んだ。そして次の神霊達と戦いその試練を乗り越えるのだった。


第七十八話   完


                 2024・6・15 
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