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夢幻水滸伝

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第三百六十一話 戦の期限その四

「そしてな」
「告白する様にいったお友達二人縁を切られて」
「自分等が遠井君と付き合うなとか言われてな」
「それだけで、ですね」
「それで縁切るとかな」
 トウェインはこの上ない軽蔑を込めて言った。
「人に言われて縁切るとかな」
「しかも告白をしろと言ってのことでしたね」
「それで振った女の友達がそいつ等に言うたが」
「そこで、ですね」
「あっさり遠井君切り捨てたさかいな」
「そのことも酷いですね」
「今は遠井君幸せやが」
 それでもとだ、トウェインは言うのだった。
「しかしな」
「そうした経験は辛いですね」
「トラウマになるわ」
 ミッチェルに強い言葉で言った。
「ほんまな」
「そうですね」
「そやからな」 
 だからだというのだ。
「ほんまな」
「酷い失恋する位なら」
「最初から縁がない方がや」 
 結婚どころか恋愛自体にというのだ。
「ええかもな」
「そうなんですね」
「そう思うわ」
 こう言うのだった。
「わいはな」
「酷い失恋をするよりも」
「それで自殺する人かておるしな」
「確かそれは」 
 失恋して自殺することもあると言われてだった、ミッチェルはすぐにある小説のことを思い出して言った。
「若きウェルテルの悩みですね」
「ああ、あの作品もやな」
 トウェインはそういえばという顔で応えた。
「そやったな」
「そうですね」
「それだけ失恋ってのは痛いわ」
「自殺する位に」
「そやから辛い目に遭ってな」
 そうしてというのだ。
「トラウマ持つよりもな」
「縁がない方がですね」
「ええかもな」
「そうですか」
「ああ、そしてな」
 それにというのだった。
「こっちの世界の星のモンはな」
「殆どの人が忙しくしかも縁がないので」
「結婚してへんわ」
「そうですね」
「それならそれでええやろ」
 トウェインはその失恋した時のトラウマのことを思いつつ言った。
「わい等はわい等でな」
「やっていきますね」
「この世界を救うで、そして今はな」
「戦いますね」
「そや、それで攻め方を変えるか」
 深く考えてだ、トウェインは言った。
「空の方で膠着してるさかいな」
「別の攻め方ですか」
「海では守ってる、ほなな」
「何処から攻めるか」
「相手にはジェーンちゃんがおるが」
 彼女のことを思い出しつつ話した。 
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