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夢幻水滸伝

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第三百六十一話 戦の期限その三

「ほんまな」
「恋愛は、ですね」
「出来るしや」
「結婚も出来ますね」
「そやで、まあわいそう言うてな」 
 トウェインはやや苦笑して自分のことも話した。
「ちょっとな」
「お相手いてへんですか」
「そや」
 オコナーに答えた。
「これがな」
「そうなんですね」
「それがな」
 どうにもというのだ。
「縁がないわ」
「それ言うたらです」
「自分もかいな」
「というか星の人でこっちの世界で恋愛に縁ある人は」
「少なくともアメリカにはおらんな」
「そうですね」
「仕事と趣味ばかりでな」 
 こちらの世界ではというのだ。
「ほんまな」
「恋愛まではですね」
「手が回らへん、そもそも縁がない」
「その縁が大事ですね」
「家に家族はおってもな」
「犬や猫ですね」
「伴侶はな」
 そうした相手はというのだ。
「ほんまな」
「無縁ですね」
「そや」
 これがというのだ。
「残念やけどな」
「縁がないとですね」
「どうにもならんわ、縁があったらな」
 それならというのだ。
「それこそ地獄に落ちるしかない様な屑でもな」
「結婚出来ますね」
「奥さんやお子さんに暴力振るう様な奴でもな」
 トウェインはそうした輩には怒りを込めて言った。
「結婚出来る」
「そうですね、世の中は」
「逆に言うとな」
「縁がないとですね」
「聖人さんでも結婚出来ん」
 キリスト教でそうした存在に列せられる人でもというのだ。
「これがな」
「そうですね」
「そうしたもんや」
 世の中はというのだ。
「ほんまな」
「恋愛は縁ですね」
「結婚もな、まあ縁がない方がな」
 トウェインはこうも言った。
「幸せな場合もあるしな」
「そうなのですか」
「手酷い失恋する位なら」
 それならというのだ。
「縁がない方がずっとええやろな」
「ああ、ありますね」 
 まさにとだ、ミッチェルが頷いて応えた。
「八条学園にも」
「そやろ、遠井君な」
「酷い話ですね」
「今はちゃんとした彼女さんいてはってな」
「親友の人も傍にいますね」
「そやけど告白したら手酷く振られてな」
 そうなりというのだ。 
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