ドリトル先生と奇麗な薔薇達
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第七幕その六
「失恋はね」
「物凄く痛くて辛いから」
「だから経験するものじゃないね」
「本当に」
「だからね」
それでというのです。
「失恋それにいじめもだね」
「経験しなくてよかった」
「そう言うんだね」
「先生は」
「そう思っているよ」
皆に言いました。
「心からね」
「それはいいけれど」
「先生そもそも恋愛に興味ないよね」
「自分がしようとは思っていないわね」
「全くね」
「もてないからね」
先生は笑って応えました。
「そして充分幸せだしね」
「それでよね」
ポリネシアが応えました。
「私達がいてね」
「トミーも王子もいるし」
トートーも言います。
「お友達は他にも沢山いて」
「先生を慕う学生さんも多いし」
「大学のね」
チープサイドの家族はその人達のお話をしました。
「もういつも囲まれていて」
「大人気だよね」
「ご近所の評判もいいわね」
ガブガブはそちらのお話もしました。
「本当にね」
「先生を嫌いな人ってそうはいないよ」
ダブダブは断言しました。
「とてもいい人だからね」
「それにお仕事にお金もあって」
ホワイティはそちらのお話をしました。
「学問に好きなだけ励めるし」
「毎日充実していて」
それでと言うジップでした。
「満足しているからだね」
「しかも毎日美味しいものをお腹一杯食べられる」
老馬はこちらのお話をしました。
「旅行も楽しめて」
「もうこれ以上はないまでに幸せだから」
「恋愛はいいんだね」
オシツオサレツも二つの頭で言います。
「もう充分幸せで満足しているから」
「それでだね」
「もうこれ以上の幸せはない」
チーチーは言いました。
「そういうことだね」
「そうだよ、僕は最高に幸せなんだよ」
だからだという先生でした。
「近いうちにまたサラがうちに来てくれるしね」
「サラさんとのお付き合いも続いていて」
「それでだね」
「本当にだね」
「恋愛まではいらないんだね」
「そうだよ、全くね」
それこそというのです。
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