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八条学園騒動記

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第七百六十四話 悪より嫌なものその五

「最早です」
「餓鬼ですね」
「そこまで堕ちていますね」
「自分が思っているのとは違い」
「何処までも堕ち」
「人ですらなくなっていますね」
「そうです」 
 まさにというのだ。
「客観視も大事です」
「自分をそうすることも」
「左様ですね」
「鏡も必要で」 
 そうであってというのだ。
「時折でもです」
「鏡を見る」
「それに映る自分を」
「それが如何に酷くとも」
 人格的に劣っていようともというのだ。
「そのことを自覚してです」
「正す」
「そうしなければならないですね」
「それが自分を高めることなので」
「そうしなければなりませんね」
「若し偉くなりたいなら」
 そう思うならというのだ。
「どう偉くなりたいか」
「そう考えることですね」
「まずは」
「お金や地位を得てです」
 そうしてというのだ。
「偉くなりたいなら」
「そうしたことに努力する」
「そうすることですね」
「そうです、ですが最初からです」
「自分を偉いと思う」
「それはですね」
「周りに甘やかされ」
 そうされてというのだ。
「偉いと言われてきたからです」
「そう思う様になったのですね」
「自分で」
「ですがそれはおそらく家の中だけです」
「外ではですね」
「そうはいかないですね」
「その筈です、外はです」
 こちらの世界ではというのだ。
「絶対にです」
「甘やかされないですね」
「家でそうであっても」
「家と外は違います」
「それぞれ別の世界と言っていいですね」
「外の世界を知り」
 そうしてというのだ。
「そこで自分を知ればです」
「そうは思わないですね」
「自分を偉いと」
「その筈です、最初は誰もが家の中にいます」
 そうだとだ、セーラは話した。人はまず家で生まれ家で育ちはじめることからラメダスとベッキーに話したのだ。
「ですがやがてです」
「外に出ますね」
「自然と」
「学校もありますし」
「それで、ですね」
「最早必ずですね」
「そうなってです」
 そしてというのだ。
「外の世界を知り」
「自分も知る」
「そうなっていきますね」
「多少でも」
「そうなりますね」
「今回の人は家庭で甘やかされ」
 そうであってというのだ。
「高校を卒業して就職しましたが」
「それでもですね」
「仕事を辞めて」
 二人も述べた、セーラのお供で共に庭を歩きつつ。 
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