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第16話「あの艦は…!?」

 
前書き
ネオ・代表O5-1です。第16話「あの艦は…!?」となります
どうぞ、ご覧ください。 

 
 十数分後、準備させていおいたシャトルにスヴェート達が乗り込んだ。

 彼女達を乗せたシャトルはハンガーベイから出て、下方にある惑星表面へ安全第一をモットーに降下を開始したのだった。

 スヴェート達が乗るシャトルは、シーシピード級輸送シャトルと呼称される。このシャトルは改型に当たるシャトルであり、改型の特徴として武装はレーザー砲をx3装備している。
 
 しかしながらスヴェート達が乗るシャトルは更に改造を施したシーシピード級改輸送シャトルであり、その最大の特徴は潜水が出来る事だ。

 「ユックリト着水シマスガ、念ノ為、シッカリトシートベルトに掴マッテ下サイ」

 「あぁ、了解だ」
 
 OOMパイロット・バトルドロイドがスヴェートに忠告した。
 忠告を聞いたスヴェートは頷く。

 液体で覆われた海―――惑星表面にシャトルはゆっくりと着水していく。

 「お、おぉ、良かった。溶ける心配はないようだな」

 液体で覆われた海は危険性は無いようで、シャトルが溶け出すといった心配は無いようだ。スヴェートは安堵した。

 「コノママ潜リマス」

 海中へと潜ったシャトルは途中でライトを点灯し、周囲と暗い底を照らそうと試みるが、中々に肉眼では確認するのは困難だった。

 「深度50…深度60…」

 「反応がないな」

 簡易ながらも積み込んである探知機で操作したスヴェートだが、何も感知されないことには彼女は首を捻る。簡易とはいえ、積み込んである探知機の性能は優秀なのにだ。

 惑星表面は液体で構成されているのにも関わらず、生物の反応が一つも感知されない。

 「…怖くない、私は怖くないぞ」

 静寂に満ちた、この惑星表面。
 この静けさが、逆にスヴェートの恐怖心を誘った。お化け屋敷みたいな感じだな、なんて事は考えてもいないし思ってもない。スヴェートは、一応余裕はあるようだ。
 
 「おい、このままもっと深くへ潜れ」

 「ラジャー、ラジャー」

 スヴェートの指示で、OOMパイロット・バトルドロイドはシャトルを更に深く潜らせる。

 「反応が何もないな、リアクションもそうだ」

 これだけ深く潜っているというのに、何故…。
 スヴェートは腕を組もうとしていたその時だ。

 「ん、歌…?」

 スヴェートの耳に、一人で歌う若い女の歌声が聞こえてきたのだ。若い女の歌声は数秒もしない内には、聞こえなくなった。

 直後、突如として機体が激しく振動し始めた。

 「機体を安定させろ!」

 「ラジャー、ラジャー」

 激しく揺れる機体を安定させようと、OOMパイロット・バトルドロイドが必死に操縦桿を握り締めている。

 シャトルはただ揺れているのではない。障害物に当たって訳でも無い。では何だ?スヴェートは強く疑問に思ったが、それは直ぐに解決した。…またもや外部よりコントロールされているのか。

 強く疑問に思った事が解決した瞬間、シャトルは完全にコントロール下から離れ、ゆっくりと深く深く潜っていく。

 スヴェートは、ブリリアンス艦隊旗艦アクラメータ級改〈スラクル〉に救難信号を送信した。幸い、通信系統は問題なくこちらから使えるようだ。
 送信して数秒も数えない内に、通信機のスピーカーから呼び出すOOMパイロット・バトルドロイドの声が聞こえてきた。

 『コチラ、アクラメータ級改〈スラクル〉。救難信号ヲ確認、同時にシャトルノ異常ヲ確認シマシタ。状況知ラセ。繰リ返ス、状況知ラセ』

 スヴェートは直ぐ応えたが、〈スラクル〉からの応答が無い。
 その後も何度も返信したが、それでも〈スラクル〉に届くことは無かった。…通信が途絶したか。

 ―――ブリリアンス艦隊旗艦アクラメータ級改〈スラクル〉。

 「シーシピード級改輸送シャトル、通信途絶」

 ブリリアンス艦隊旗艦アクラメータ級改〈スラクル〉艦橋では、OOMパイロット・バトルドロイド達が己の仕事を果たす為に忙しく働いていた。

 その様子を見ていた1人の人物―――艦長代理を務める女性は腕を組み、赤い瞳を外の光景に向けた。
 
 艦長代理が来ている服装は、だ。
 スヴェートと同じ純白の軍服を着用し、外は黒色、内側が赤色の肩掛けマントを背負う。容姿からして年齢は20代前半。

 「通信が途絶した、か」

 片方の手を腰に当て、もう片方の手を顎に当てた艦長代理は追憶する。

 通常空間から切り離された空間にある、光輝くリングに囲まれた惑星。自然界のルールから完全にしたような漆黒の十字架は、明らかに人工物。周囲に星々は観測出来ず、何処にも恒星が一つも無い。その空間に、迷い込んでしまったブリリアンス艦隊。
 このような物質世界はあり得ない。しかし、そのあり得ない世界に、艦隊は現実として此処に存在している。

 「何者かは知らないが、迷惑だ」
 
 シャンブロウを探している最中であるというのに、と艦長代理が溜め息混じりに言った直後だ。OOMパイロット・バトルドロイドから報告がやって来た。
 彼女は聞く姿勢を取った。

 「艦長代理、報告シマス。惑星表面に異変発生」

 「異変発生?」

 「ハイ、スクリーンに映シマス」

 艦長代理はスクリーンを静かに見つめた直後、驚きのあまり目を見開いた。

 惑星表面には変化が確かに起きていた。

 今まで液体で覆われていた表面が青く輝く亀裂を生じさせながら、空に浮かんでいる構造物と同じグレーの壁が広がり瞬時に覆ったのだ。同時に構造体にも変化が発生し、最下層部が延長を始めると地表面まで伸び、覆い尽くした表面と連結した。
 
 まるで、惑星が丸々一つの機械のようであり、シャトルはそこへと飲み込まれたかのようだった。

 「何が起きている…?」

 その様子を観ていた艦長代理は唖然となったが、直ぐに冷静さを取り戻した。
 
 「直ちに救助を「ハンガーベイノゲート閉マリマシタ!同時にロックサレ、開ケルコトハ出来マセン!」…外部からのコントロールか」

 艦長代理は舌打ちした。
 艦隊は外部からのアクセスにより完全に制御不能に陥り、一歩も動くことは出来ず、ハンガーベイも閉ざされてしまった。

 「…出来ることはただ一つ」

 艦長代理はスヴェートの無事を信じて、祈るしかなかった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 
 「直ぐに浮上だ、急げ!」

 「無理デスネ」

 「無理って何故だ!」

 「制御ガ出来ナインデスヨ。諦メテモイイデスカ?」

 「諦めるな!ていうか呑気だな、おい!?」

 必死にコントロールを取り戻そうと格闘するスヴェートとOOMパイロット・バトルドロイド。しかし状況は悪化の一途を辿るばかりで、上昇する気配は一切無い。
 寧ろその逆に潜り…否、沈んでいく。勿論、シャトルに損傷はないし、浸水も無い。それでもシャトルは水の底へ沈み続ける。

 「計器が全く読めないな、クソが!」

 スヴェートは叫んだ。
 モニターは明滅を繰り返し、たまに深度を表す数値が出ても深度1050mと、全く信用出来ない数値が表示されるだけ。彼女が叫ぶのも無理はなかった。

 「いくら潜水出来るようになっているとはいえ、このままでは機体は持たないぞ!」

 「全ク以ッテソノ通リカト」

 「呑気な場合か!?…こちらスヴェートだ!応答しろ!おいッ、もしもし?!」

 シャトルは更に角度を深くとり、速度を上げた。
 スヴェートは連絡を取ろうと必死に呼び掛けたが、応答が一切無い。コックピット内に警報が鳴り響くが、それを止めることも出来なかった。

 深く深く潜っていくシャトルの先には、明るい水色に光る場所が見えてきた。
 此処が海と仮定すれば、明るくなる可能性は人工物しか考えられない。地下都市か、あるいは潜水艦の類が海底にあり、その光を受けた部分の水が明るくなっているのだろう。

 「加速だと…っ」

 シャトルは光へと吸い込まれるように急加速した。
 スヴェートは足に力強く入れて踏ん張ると同時に、眼前にある操縦桿を力強く握った。光の発生源には何らかの建物か潜水艦の類があり、衝突すると彼女は考えたからだ。

 「ぶ、ぶつかる!?」

 「ブツカリマスネ〜」

 「殴ってやろうか?!」

 スヴェートは目を閉じることなく、大きくなっていく光を注視する。光は近づくとシャトルを飲み込んだ。

 バシャーン!!

 視界は突如として、一気に開けた。

 「これは、いったい…!?」

 スヴェートは、そこに広がる光景に仰天した。彼女が仰天するのも無理はなかった。
 水面を脱したかと思えば、気付けば何処と知れぬ緑溢れるジャングルの上空に飛び出しのだから。シャトルは眼下にあるジャングルへと急降下していく、降下角度90度となって。

 「出たかと思えば海底世界、どうなっt…いやいや落ちてる落ちてる!急上昇しろ急げ!」

 「ア〜、デモ操縦桿ガ…」

 「それを何とかするのがパイロットだろうが!!」

 その時、突如として制御不能状態から回復し、スヴェートが持っていた操縦桿がスッと軽くなったのは。

 「上昇!」

 スヴェートは強制的に操縦をOOMパイロット・バトルドロイドから変わり、スロットを手前に引いて、エンジンを噴かした。直後、再びメインノズルに火が入ったシャトルは上昇を開始した。

 「上がれ上がれ上がれ上がれ!」

 やがて突入角度は45度へと回復し、落下速度を落としつつ、前へと飛行を開始した。シャトルは、海のように広がる低いジャングルの低い上空を飛行していた。
 
 「機体、安定シマシタ」

 安定した飛行となり、スヴェートは操縦をOOMパイロット・バトルドロイドに返した。

 「し、死ぬかと思った…」

 もしも反応が遅ければ、皆が揃って生者から死者へと乗り換えていただろう。生者は私だけだが。
 落下中では死を悟ったが、今スヴェートは生きていると安堵していた。何せ、今こうして飛行出来ているとはいえ、かなり危うかったのだから。

 「ふぅ…」

 シャトルは安定している。

 スヴェートは小さく息を吐き、肩の力を抜いて改めて外の光景を視認し、息を飲んだ。海底を抜けた先には、豊かな自然と蒼い空があることに、度肝を抜かされた。

 やはりジャングルだ。それも、地球に存在するジャングルのような。文明らしいものは一切ない。

 スヴェートは空気成分の分析を始める。少しして、分析が完了した。

 「窒素78.1%、大気圧1018ヘクトパスカル、大気成分組成は某気候熱帯森林に酷似。有害な成分は無い。…此処は地球にとても良く似ている」

 機体外部にあるセンサーを通じて、空気成分を分析したスヴェートは再び息を飲んだ。

 「本当、南米のジャングルのようだ」

 スヴェートがWOS世界より転移する前―――リアルに居た頃、彼女は南米のジャングルを旅行で行った事があった。その時はヘリを利用して上空を飛び、南米ジャングルの光景を楽しんだ記憶がある。

 当時の旅行について懐かしんでいると、巨大な何かを発見したスヴェートはそれを見つめた。 
 見つめた先には、直径が何十キロメートルはありそうな巨大な大木が見えた。その木は周囲の木々とは桁違いにスケールが違っており、ジャングルの上にキノコ雲のようにそびえ立っている。

 「まるで、北欧神話の世界に迷い込んだかのようだ。…なんて幻想的なんだ、美しい」

 巨大な大木―――ユグドラシルのような大木を視認していたスヴェートは感嘆した。

 「何はどうあれ、調査は継続するべきだろう。…周囲の探索を開始、この辺り一帯を飛んでくれ」

 「ラジャー、ラジャー」

 辺り一面の様子を観察するために、シャトルはジャングルの上空を飛行する。飛行してしばらく経った時、OOMパイロット・バトルドロイドの目の前にあるコンソールがピーピーと鳴った。

 「通信が回復したのか?」

 OOMパイロット・バトルドロイドがコンソールを触ると、モニターには『信号捕捉』とのメッセージが表示されていた。

 「救難信号カト思ワレマス、二ツデス。ア〜、間違イナク救難信号デス」
 
 スヴェートは首を捻り、即座に切り捨てる。
 
 「あり得ない。こんな場所に?そもそもだ、私達しか居ないのだぞ?」

 「ソレガ…」

 「それが、何だ?」

 OOMパイロット・バトルドロイドは、言い淀んでいる。スヴェートは何故そんな言い放む必要があるのか、不思議でしょうがなかった。
 しかし、言い淀んでいた内容を聞いた彼女は驚愕した。

 「片方ハ解析中デスガ、モウ片方ハ解析スルマデモナインデス。ソノモウ片方ノハ、地球ノ救難信号デス」

 「な、なんだと…!?」

 耳を疑った報告に、スヴェートはモニターを注視する。
 モニターには、一定のリズムで送られてきているシグナルが映像化されていた。

 「なんたることか。母なる地球の、それも軍の救難信号」

 行くべきだろう、とスヴェートは断言した。

 「だがなぁ」

 自分が乗るシャトルの外見は、何処からどう見ても異星の機体だ。母なる地球の軍から攻撃を受けるかもしれない、攻撃されるのは流石に嫌だ。

 とはいえ、だ。それで回れ右するのは絶対に駄目だろう。
 それは見捨てるという意味、見捨ててはいけない、救助に向かうべきだ。スヴェートは決意を固めた。

 「木々の密度が一切ない平地に着陸しろ。SOS信号発生源から1km離れてな」

 それと念の為、先のように外部からのアクセスで制御不能とならないよう、着陸しなくてはならない。墜落事故なんて真っ平ゴメンだ。

 少しして、着陸に適した場所を見つけたシャトルは着陸態勢に入った。やがてシャトルは船底から4本の着陸ギアを展開し、着陸した。

 「お前はいつでも飛び立てるように待機だ」

 「ラジャー、ラジャー」

 「さて、行くとしようか」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 

 着陸したシーシピード級改輸送シャトルの搭乗兼出口ハッチが、地面へと降ろされたと同時に一対のドアが開かれた。そこから12体のBXコマンド・バトルドロイドが駆ける。

 BXコマンド・バトルドロイド部隊は武器を構え警戒しながら、シャトル周囲の安全を確保する。

 「クリア」

 安全を確保したBXコマンド・バトルドロイド部隊。部隊長は安全を確保した報告をスヴェートに入れた。数秒後、スヴェートが悠々とした足取りでシャトルから出てきた。

 スヴェートはいつも通り純白の軍服を着用し、外は黒色、内側が赤色の肩掛けマントを背負っていた。

 だが違う点が、否、付け加えるのが2つ。
 一つは防弾チョッキのような純白のアーマーを、軍服の上に着用していること。一つは現代の軍人が被るような純白のヘルメットを被っていることだ。

 そんなスヴェートはホルスターに下げている【SEー44Cブラスターピストル】を片手で撫でつつ、前を見据えた。

 BXコマンド・バトルドロイド部隊がスヴェートへ振り向いた。スヴェートは命令を発した。

 「これより我が部隊は、SOS発生源の場所へと向かう。3体は此処に残り、シャトルを守れ」

 『ラジャー、ラジャー』

 スヴェートは空から光が届かないジャングルを進む。12体から9体となったBXコマンド・バトルドロイド部隊は彼女を警護する。

 「ちょっとだけ蒸し暑い感じだな、私は平気へっちゃらだが」

 熱帯森林気候特有の湿気に、感想を漏らしたスヴェート。時折、鳥の鳴き声が聞こえてくる。

 「…妙に見たことがある景色だな」

 スヴェートは直感的に感じ、同時に違和感を覚えた。
 上空からではジャングルだな〜で済んだが、この森林にある動植物は超がつく程、北米ジャングルのアマゾンによく似ている。

 「地球と同じ環境、それもアマゾンか。どうなっているんだ、この星は」

 違和感を覚えながら、道なき道を歩いていく。

 スヴェート含めた部隊は武器を携帯しているが、何も武器だけではない。簡易調査機材を持ったBXコマンド・バトルドロイドや、SOS信号を端末で確認しながら先頭を歩くBXコマンド・バトルドロイドが居る。

 「明るいな、此処は海底の下の筈なのに」

 これだけ明るいのにも関わらず、太陽が確認されないというのはどういうことか。つくづく、現実世界は未知で溢れているようだ。

 「スヴェート様」

 ん?とスヴェートはBXコマンド・バトルドロイドから声を掛けられた。スヴェートは止まれと部隊に告げた。

 「確か、お前は先頭に居た奴か」

 「ハイ、ソウデス」

 「それでどうした?何かあったか?」

 「シグナルヲ発信シテイルト思ワレル場所ヲ確認シマシタ」

 そう言ったBXコマンド・バトルドロイドは後ろに振り向き、指さした。スヴェートからの視点では前方の奥を、BXコマンド・バトルドロイドは指さしていた。

 「遂にか。案内を頼む」

 「ラジャー、ラジャー」

 「部隊、私についてこい」

 『ラジャー、ラジャー』

 報告してきたBXコマンド・バトルドロイドと共に茂みの向こう側を抜ける為、先に前進する。後ろから続くBXコマンド・バトルドロイド部隊。

 茂みを抜け、最後に大きな葉を払い退けると、小高い丘となっていた。

 「コチラデス」

 端末を持ち、先頭を歩くBXコマンド・バトルドロイドに近づいたスヴェート。

 「遭難シグナルハ、アソコカラ出テイルヨウデス」

 案内したBXコマンド・バトルドロイドは、端末を見つつ再確認する。

 「あ、あの艦は…!?」

 スヴェートの瞳には、超がつく程の信じられない物が映っていた。彼女は唖然とした目つきで、見つめることしか出来なかった。

 「間違いない。アレは、旧日本海軍の沈没戦艦―――大和だ」

 スヴェートは静かに鎮座する戦艦大和に目を見張り、ゴクンっと固唾を飲んだ。

 旧日本海軍、戦艦大和。
 大和型1番艦。基本排水量は6万4千トン、46サンチ砲を前方に6門、後方に3門を配置。全長は263m、第二次世界大戦時では歴史上最大の戦艦。

 「…ふっ」

 スヴェートは我慢の限界なのか、手の動作を交えながら叫び出した。

 「どうなっているんだ!本当に、何がどうなっているんだこの星は!?」

 全く以って理解出来ない。いや、理解しようがないし、理解したとしても受け入れることなんぞ無理だ。

 「だがなぁ、行くしかないよな…」

 はぁ、と憂鬱気味に深い溜め息を吐いたスヴェート。
 二度目だが全く以って理解出来ない…が、この戦艦大和こそが全ての元凶なのだろう。そして、戦艦大和の中に、私を誘った存在が居るのだろう。

 「行ってみるしか、ない、よな…」

 こんな場所に戦艦大和があるなんて怪しさ満点だが、この意味分からん空間から脱出する為だ、行くしかない。スヴェートは不安な表情をしつつも決意を固め、部隊を率いて丘を降りたのだった。 
 

 
後書き
現状公開可能な情報:ボレアス級TEミサイル駆逐艦Ⅱ型

全長:490m
最高速度(大気中)850km
ハイパードライブクラス:1.5
装甲:強化適応型装甲、対ビームコーティング
防御:シールド
武装
・六連装ミサイルランチャーネス「スコール」x2(船体中央上面)
・二連装280mm重粒子砲x3
・近接対空砲x6

概要
 Ⅱ型となった本艦は近接対空砲をx6装備した他、103mm砲から280mm砲へと換装された。増設された一つの主砲が艦首艦底に装備したことで、砲戦能力が向上した。

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さてさていかがだったでしょうか。至らないところもあるかと思いますが、温かい目で観ていただけると嬉しいです。ご意見、ご感想お待ちしております。次回もお楽しみに!  
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