神々の塔
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第七十七話 世界のサイクルその六
「他の凶悪犯共と一緒でや」
「碌な衣食住もなしで」
「強制労働や」
「それも休日なしで」
「何で死刑廃止とか言う奴が極悪人か」
メルヴィルは穿き捨てる様にして言った。
「世の中おかしいわ」
「人道主義やなくて」
「それがな」
「犯罪組織とつながってる極悪人とか」
「ほんまおかしいわ」
「死刑反対言う以前やね」
「そや、起きた世界でもそんな奴おるしな」
メルヴィルはそちらの世界のことも忌々し気に話した。
「日本やと特に多いな」
「ほんまにおるさかいね」
綾乃も困った顔で否定しなかった。
「残念やけど」
「そやな」
「死刑廃止と言う人権派の弁護士さんが」
その実はだ。
「おかしな人等と関係がある」
「そんなことあるな」
「そやねん」
これがというのだ。
「ほんまに」
「こっちの世界でもな」
「そういうの見ると嫌になるわ」
「誰かてな」
「正義とか人権とか言うてて」
「その実はな」
「極悪やなんて」
綾乃は顔を曇らして言った。
「ほんま」
「清廉潔白な正義の味方の振りしてな」
「薄汚い邪悪や」
「そういうのが一番悪いね」
「何処の世界でもそういうのはおるしな」
「嘘を思いきり大声で吹聴する」
綾乃はそうした悪人の話もした。
「自分はあくまで被害者で」
「有罪受けてもな」
トウェインが応えた。
「裁判で」
「それでもそう吹聴して」
「まだ何かしようとする」
「そうした人もおるし」
「そういうのも悪やが」
「正義の味方の振りして」
「人権都会の血の大切さ言うて」
その実はというのだ。
「人命なんか何とも思ってへん連中と結託してな」
「悪どく儲けてる」
「そんな連中の方がな」
「まだ悪いね」
「そうやな」
「まあ嘘大声で吹聴して人騙して」
「利用する奴も極悪やがな」
それでもというのだ。
「真っ黒とドス黒いの違いかも知れへんが」
「正義に味方の振りしての方が悪いね」
「ああ、ただどっちもな」
トウェインはその目を険しくさせて言い切った。
「成敗せんとや」
「あかんね」
「最早人やない」
どちらの輩もというのだ。
「世にあったら害にしかならん」
「悪事ばかり働いて」
「もう心が人やない」
そうでなくなったというのだ。
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