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夢幻水滸伝

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第三百六十話 台風の如くその六

「ヘミングウェー君です、こうなれば」
「お願い出来ますか」
「この度は」
「ボーム様も前線に出てくれますか」
「そうしてくれますか」
「そうさせてもらいます」 
 是非にというのだった。
「そして戦います」
「宜しくお願いします」
「それではです」
「そうして敵の戦線に穴を開けて下さい」
「ウルリクルミなら可能です」
「あの神具を用いる時です」
 ボームはこう言ってまずは前線に出た、そしてだった。
 ウルリクルミ、巨大な銀色に輝くロボットの神具を出した。その神具は今は巨大な機械のプテラノドンとなった。
 その神具の背に乗ってだ、ボームは言った。
「敵の航空機そして地上を炎のブレスで攻撃して下さい」
「畏まりましたご主人様」
 ウルリクルミは機械音声を思わせる声で応えてだった。
 そのうえで敵軍に向かおうとした、だがその前にだった。
 ヘミングウェーがいた、彼は空に腕を組み足を閉じて立っていた。ボームは彼のその姿をその単眼に認めて言った。
「お待ちでしたか」
「予想時間通りに来てくれましたね」
 ヘミングウェーはボームに微笑んで応えた。
「何よりです」
「ワテクシの動きを読んでいたのですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「必ず来てくれると」
「それは何より、ではですね」
「これより戦いますか」
「そうしましょう」
 こう話してそうしてだった。
 両者は戦闘に入った、ボームはすぐにウルリクルミにブレスを吐かせるが。
 ヘミングウェーは雪女を召喚した、そしてその吹雪で攻撃させつつ言った。
「それだけ巨大な神具ならば」
「召喚で対しますか」
「私は攻撃系の神具を持っていません」
 自分でこのことを言った。
「しかしです」
「対することは出来ると」
「そうです、バイブルは知力と政治力を上げてくれますし」
 自分の神具はというのだ。
「解呪の指輪にもその効果があります」
「だからですね」
「私の術の力は強いです」
 自分でこのことを言った。
「その力で召喚した精霊達も然り」
「そやからですね」
「貴方のウルリクルミにも対することが出来ます」
「そうされますか」
「戦は工夫ですね」 
 ヘミングウェーはボームに問う様に言った。
「そうですね」
「はい」
 ボームもその通りだと答えた。
「敵にどうして対するか」
「それが大事ですね」
「ほんまに。そやからですね」
「こうしてです」
 まさにというのだ。
「工夫をしまして」
「召喚の術を用いて戦われますね」
「そうします、では」
「これよりですね」
「貴方と戦い」
 そうしてというのだ。
「止めます、戦線は突破させません」
「そうですか、観たところです」
 ここでボームは戦線を観た、観れば戦線は東側の攻勢を西側が四つに組んで防いでいる。突破出来る気配はない。 
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