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夢幻水滸伝

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第三百六十話 台風の如くその四

「ええな」
「はい、それでは」
「頼むで」
「お任せ下さい」 
 ホーソーンは確かな顔と声で応えた、そしてだった。
 水軍は全ての予備戦力を投入した、メルヴィルはその戦局を見て話した。
「一つの場所で守れば」
「他の場所で攻める」
「そうする、そしてな」
 ヴォネガットと共に傍にいるジェーンに話した。
「敵の陣地、戦線を突破してな」
「勝ちますね」
「ここでは必死に守ってるが」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「一つの場所で守れば」
「他の場所で攻める」
「そうしますね」
「全体を見るんや」
 戦場のそれをというのだ。
「それで左翼の戦線で攻められてるなら」
「それやとですね」
「右翼、中央に余裕があったらな」
 その時はというのだ。
「攻める、ボームは戦闘力自体は大したことはないが」
「星の人の中では」
「しかしあいつも軍を指揮出来てな」
 ジェーンにさらに話した。
「術も使えてな」
「神具もあるさかいな」
「切り札もある、ですね」
「ウルリクルミがな」
 この神具がというのだ。
「そやからな」
「それを用いて」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「戦ってもらう」
「そうして突破してもらいますか」
「勿論敵も強い」
 メルヴィルはこのことも認識していた。
「向こうにはヘミングウェーがおるな」
「あの人ですか」
「ボームは天の星やが」
「ヘミングウェーさんもです」
 ルイスもいて言ってきた。
「あの人も」
「そや、それでや」
「ボームさんに対することが出来ますね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「突破や容易やないが」
「戦ってもらいますね」
「攻めてもらうわ」
 そうしてもらうというのだ。
「是非な」
「左様ですね」
「ほなな」
「戦線の右翼、中央において」
「攻勢に出るで」
「わかりました」
 ルイスはメルヴィルの言葉に頷き他の星の者達もだった、こうして東側は戦線の右翼及び中央部においてボームの指揮の下攻勢に出た。
 それを見てだ、トウェインは戦線全体を監督するヘミングウェーに対して貝殻から真剣な顔と声で言った。
「頼めるか」
「はい」
 ヘミングウェーは一言で答えた。
「守り切ります」
「頼むで」
「列車砲は確かに送らせてもらいましたが」
「他の兵器があるな」
「高射砲は置いています」
「ああ、高射砲か」 
 これをと聞いてだ、トウェインはにやりと笑った。そのうえで言った。 
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