ドリトル先生と奇麗な薔薇達
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第五幕その十二
「重要です、ですが同じ宗派なら」
「カトリックの人同士ならですね」
「全くです」
それこそというのです。
「問題ありません」
「それは何よりですね」
「そして」
先生はさらにお話しました。
「プレゼントは」
「まだお考え中です」
「そうなのですね」
「どうもじっくりとです」
「お考えですか」
「はい、ですがお二人共裕福なお家で」
そうであってというのです。
「お金はです」
「困っていないですね」
「はい」
そうだというのです。
「ですから」
「プレゼントもですね」
「問題なくです」
金銭的なそれはというのです。
「贈れます」
「それは何よりですね」
「はい、ですが」
ここで日笠さんは先生にこうも言いました。
「問題がありまして。ドイツだけではないですが」
「ああ、経済的にですね」
「確かにお二人はそれぞれ裕福なお家ですが」
「余裕は、ですね」
「あるとはです」
その様にはというのです。
「言えないのです」
「そうですね」
「経済的に」
「ドイツも大変ですね」
「そしてオーストリアもです」
「欧州全体に余裕がないですね」
「そうですから」
そうした状況だからだというのです。
「その人もご自身の収入だけで」
「プレゼントをされますね」
「そうお考えです」
「ご実家の助は借りないのですね」
「そう言われています」
「そうですか」
「日本も大変ですが」
それでもというのです。
「まだ、ですね」
「ドイツよりは余裕がありますね」
先生も言います。
「まだ」
「そうですね」
「物価が高くなってです」
「苦しいですね」
「そうした状況ですが」
日本もです。
「まだです」
「ドイツそして欧州よりは余裕がありますね」
「ドイツは経済規模が世界三位になったといいますが」
その日本を抜いてです。
「しかしです」
「それでもですね」
「その実情はです」
「日本より大変ですね」
「遥かに。僕は経済学も学ばせてもらっていますが」
先生はこちらの学問も学んでいます。
「そこからわかります」
「今のドイツの状況は」
「かなりです」
日本以上にです。
「苦しいです」
「そのことをです」
「その人もですね」
「考慮されて」
そうしてというのです。
「ご自身で」
「そのこともわかりました、それでお二人のお名前は」
「はい、男の方はフリードリヒ=エンベルグさんといいまして」
まずは男の人からお話します。
「女の方はハンナ=ブラウシュタインさんといいます」
「それがお二人のお名前ですね」
「そうです」
日笠さんは笑顔で答えました。
「宜しくお願いします」
「それでお二人とお会いさせて頂いても宜しいでしょうか」
「どうぞお願いします」
日笠さんはにこりと笑って答えました、こうしてです。
先生はお二人にお会いすることになりました、先生はお二人とお会いする時が来ることを楽しみにする様になりました。
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