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神々の塔

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第七十六話 大天使その四

「そもそも天使さん達が行く筈ないしな」
「あのチームはほんまもんの悪やからやな」
「悪魔でも忌み嫌う位のな」 
 悪魔は実は神と相反するもう一つの正義であるというのがこの世界での考えだ。
「ほんまもんのな」
「悪やな」
「悪も悪」 
 まさにというのだ。
「極悪非道の限りを尽くしてきたわ」
「やりたい放題やってきたな」
「他チームからどれだけ選手掠め取ったか」
 かつての巨人の得意技であった。
「そう考えるとな」
「他にも色々やってきたしな」
「邪悪そのものや」
「そんなチームには神霊さんも行かへんな」
「そやからこっちの世界では神霊さんの加護が一切なくて」
 この世界にも巨人があるがだ、尚本拠地は言うまでもなく江戸である。そして江戸城にいる幸田達から嫌に思われている。
「万年最下位や」
「今や起きた世界でもそうでな」
「もうぶっちぎりでな」
 中里は強い声で言った。
「そうやな」
「こっちの世界では創設からな」
「ずっとや」
「最下位やな」
「勝率一割台でな」
「毎年百敗以上してる」
「起きた世界やと四半世紀以上そうやが」 
 ずっと最下位であるのだ。
「こっちの世界でもや」
「悪くて弱い」
「それが巨人や」
 中里はまた言い切った。
「そんなチームにはな」
「神霊さん誰も入らへんな」
「そや、しかし阪神から他チームに行ってか」
「わいもメルヴィルと同じ考えでな」
 トウェインはそれでと話した。
「ほんまな」
「普通に戦えるか」
「そや、関係なくな」
「さばさばしてるか」
「普通やろ、昨日の敵は今日は味方でな」
「その逆もあってか」
「それでや」
 敵に回して戦ってもというのだ。
「ええわ」
「そうなんやな」
「まして試練やしな」
 自分達へのそれであることも話した。
「それやとな」
「思う存分か」
「戦ってな」
 そうしてというのだ。
「勝ってさらにや」
「上にですね」
「進んでな」
 そうしてというのだ。
「踏破するで」
「そうするで」
「そやねんな」
「割り切ることや、試練やとむしろな」
 その中で戦うならというのだ。
「全力で向かってな」
「勝つことですね」
「そうしたいわ」
「割り切ることか」
「そや、割り切ることもな」
「大事やな」
「割り切れんと辛いやろ」
 こう中里に言った。
「割り切れん奴はその分苦労するわ」
「そうなるか」
「試練は乗り越える、例え同じ教えでも」
「そっちの神霊さんでもやな」
「試練やと問題ない」 
 全くというのだ。 
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