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神々の塔

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第七十六話 大天使その五

「一方的に理不尽に攻撃されるんやないやろ」
「そうやないな」
「世の中そうしたことあるからな」
 羅はどうにもという顔で中里に言った。
「信じてた、それこそ自分が信仰してた相手にな」
「急に攻撃される」
「それが人でもあるし」
「神霊さんでもやな」
「昨日まで何もなくても」 
 そうした状況であったのにというのだ。
「いきなりや」
「攻撃して来るな」
「そんなこともある、掌返しっていうな」
「急に態度返るな」
「それが理不尽な場合もな」
「世の中にはある」
「人を平気で裏切る奴もおる」 
 世の中にはだ、最悪のケースでは自分勝手なそれこそ自分の目先の損得で昨日まで家族だ親友だと言っていた相手を裏切る。
「神霊さんでもな」
「そんなケースが考えられるな」
「まあ異端とか言うてな」
「ああ、十字軍送ったりか」
「他には革命の敵とか言うて」
 このケースもあるというのだ。
「そしてな」
「粛清やな」
「こんな理不尽な話もな」
「世の中あるな」
「そや」
 まさにというのだ。
「そうしたことに比べたら」
「試練で戦うならやな」
「何でもないやろ」
「悪意はないしな」
「悪意ってのはな」
 羅は苦い顔で言った。
「それがあるとな」
「とんでもなく醜いもんになるな」
「悪意撒き散らしてる奴を見てどう思うか」
「周りはやな」
「それでや」 
 それこそというのだ。
「嫌われるわ」
「そうなるな」
「自分に向かわんでもな」 
 その悪意がだ。
「傍から見てな」
「醜く感じて」
「何時自分が向けられるか」
「不安にもなってな」
「嫌われるわ」
「そやな」
「その時力があってな」
 その悪意を撒き散らしている者がというのだ。
「力がなくなるとな」
「盛者必衰でな」
「それでな」
 そうであってというのだ。
「後で周りが困っても助けへんか」
「牙剥くな」
「そうなる、特に裏切る時にな」
「悪意を見せたら」
「もうな」 
 その時はというのだ。
「皆一発で嫌うわ」
「裏切られてどんな気持ちとか言うとやな」
「もうな」
「皆嫌って」
「心の底から嫌ってな」
 そうしてというのだ。
「信用せんわ」
「自分が裏切られても嫌やしな」
「そや、私利私欲で裏切る奴なんて」
 それこそというのだ。 
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