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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その三十四

「連合じゃそんなことはな」
「絶対にないですよね」
「あってたまるか、人間は誰でも同じだ」
「平等ですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「そんなことはな」
「しないですね」
「ああ、司令官だってな」
 エウロパ軍と違うというのだ。
「それこそな」
「食堂で、ですね」
「食べてるだろ」
「連合軍では」
「俺達と同じもの食ってるな」
「風呂もですよね」
「ああ、本当にな」
 そこはというのだ。
「同じだからな」
「軍隊の階級はあっても」
「人間としてのそれはな」
「一切ないですね」
「ああ」
 実際にというのだ。
「あってたまるか」
「ですよね」
「そんな社会なんてな」
 曹長はさらに言った。
「暗黒社会だろ」
「そうですよね」
「だからな」
 それでというのだ。
「あんな社会はな」
「絶対にですね」
「あってたまるか」
 それこそというのだ。
「連合じゃな」
「聞いていますと」
「本当に嫌になるな」
「はい、絶対にいたくないです」
 兵士は怒った顔で答えた。
「そんな国は」
「全くだな、しかしな」
「しかし?」
「連合はそんなことは絶対にないだろ」
「ありません」
 絶対にとだ、兵士は答えた。
「間違っても」
「そうだな、ずっと連合にいたいな」
「そう思います」
 実際にというのだ。
「本当に」
「そうだな、俺もだ」
「曹長もですか」
「ああ」
 実際にというのだ。
「エウロパなんかに生まれたくないさ」
「絶対にそうですよね」
「俺達が今いるサハラだって戦乱でな」
「大変ですよね」
「けれど階級はないからな」
 自分達が否定しているそれはというのだ。
「だからな」
「その分ずっといいですね」
「人間の社会に階級はないだろ」
「元々そうですね」
「それを無理に作ってな」
 そしてというのだ。
「それで階級が高い奴が偉そうにするなんてな」
「最悪の社会ですよね」
「それがエウロパなんだよ」
「貴族の奴等がそうですね」
「自分達は特別いいもの食ってな」
「偉そうにしてますね」
「そんな社会にいたらな」
 曹長は兵士に怒った顔で話した。 
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