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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その三十五

「どれだけ嫌なものか」
「本当にそうですよね」
「そんな社会にいるよりな」
「こうしてですね」
「連合にいた方がいいだろ」
「はい、本当に」
「俺は下士官のままだが誰でも士官になれるだろ」
 エウロパでは基本貴族であるとされている彼等もというのだ、ただ平民出身の士官それも元帥にも結構いる。
「部内の試験で」
「そうですよね」
「下士官候補生なんてな」
 入隊して二年経てば下士官になる制度である、この課程で入隊する者は軍服は七つボタンの詰襟となっている。
「そのままだろ」
「下士官になって四年か五年で部内の試験ですね」
「それを受けてな」
「大抵士官になってますね」
「元々そうした課程だしな」
「ですよね」
「そうした課程もあってな」
 それでというのだ。
「連合はまさに誰でもな」
「士官にもなれますね」
「そして食うものもな」
「同じですね」
「元帥でもな」
 軍の階級の最高位にある彼等もというのだ。
「食うものは同じだよ」
「艦内の厨房で作ったものですね」
「俺達とな、流石に食う場所は執務室らしいがな」
 元帥のそれだというのだ、それぞの役職の。
「けれど食うものは同じだよ」
「エウロパと違って」
「皆な、これがいいんだよ」
「ですよね、人間として」
「ああ、元帥でも専属のシェフなんてな」
 曹長はコックを今度はこう呼んで話した。
「いないだろ」
「一人も」
「そんなのいてたまるか、それでな」
「それで?」
「お前任期終わったらどうするんだ?」
 曹長は兵士に食事の話から彼の将来の話を聞いてきた。
「一体」
「三年経ったらですか」
「軍隊に残るか?それとも民間か?」
「まだ決めてないです」
 兵士はトランプの自分のカードを見つつ答えた、ブラックジャックをしているが今は合わせて二十でこのまま止めようと思っている。
「実は」
「そうか、まだか」
「はい、それはです」
「これからか」
「このまま軍隊にいてもです」
「いいか」
「そうも思ってますし民間に戻っても」
 その場合もというのだ。
「いいとです」
「そっちもなんだな」
「任期の間に考えていきます」
 その間にというのだ。
「あと二年ちょっとありますが」
「そうするんだな」
「まあこの航海が終わって連合に戻っても」
「まだ考える時間があるな」
「ですから」
 それでというのだ。 
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