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第百三十五話 最後の競技その一

                第百三十五話  最後の競技
 運動会も終わりに近付いてきた、富美子はその状況を見て言った。
「あと少しでね」
「終わりね」
 かな恵が隣から応えた。
「運動会も」
「そうよね」
「あっという間だったわね」
「色々競技やったからね」
「うん、ただね」
 かな恵は富美子にこうも言った。
「その運動会もあと少しでね」
「終わりね」
「それで終わったらね」
 その時はというのだ。
「お家に帰って」
「飲む?」
「鳴海っちとね」
 富美子に笑顔で話した。
「二人でね」
「飲むのね」
「鳴海っちのお家に行って」
「そうしてなのね」
「ストロングね」
 富美子に今も笑顔で話した。
「かな恵の好きなお酒は」
「そうそう、何といってもね」
 かな恵もまさにと答えた。
「お酒はね」
「ストロングよね」
「安いしすぐに酔えるし」
「味も悪くないしね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「私お酒はね」
「ストロングが一番よね」
「そう、もう鳴海っちのお家の冷蔵庫に」
「あるのね」
「鳴海っちが五〇〇を何本も入れてくれてるから」 
 だからだというのだ。
「帰ったらお風呂入ってすっきりして」
「それからなのね」
「鳴海っちのお家に行ってね」
「二人で飲むのね」
「そうするわ」
「いいわね、私そうした予定はね」
 富美子は全くという口調で話した。
「ないのよ」
「そうなの」
「そう、本当にね」
 実際にというのだ。
「そうしたことはね」
「予定してないの」
「何も考えてなかったわ」
 正直に言うのだった。
「そんなことはね」
「そうだったのね」
「そう、それで帰ったら」
「どうするの?」
「お風呂入って晩ご飯食べて」
 そうしてというのだ。
「後はね」
「何もなし?」
「寝るだけね」
 少し考えてからだ、富美子はかな恵に答えた。
「もうね」
「そうなのね」
「けれどね」
 それでもというのだった。
「かな恵が鳴海っちと飲むなら」
「富美子ちゃんも?」
「そうしようかしら」
 こう言うのだった。
「ちょっとね」
「いいんじゃない?終わったらね」
 かな恵はそれからと話した。 
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