ハッピークローバー
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第百三十四話 終わりに近付いてその十二
「大泣きして命乞いして喋るから」
「何もしなかったのね」
「かえって可哀想になって」
「イタリア軍の捕虜には酷いことしなかったの」
「イタリア相手はね、けれどドイツ軍とか」
「近くの国には」
「もうね」
それこそというのだ。
「これ他の国も同じで」
「徹底的にやるのね」
「ちょっと言いたくない様なことが」
「普通にあるのね」
「だからあのナチスが引く位にね」
「酷いのね」
「そんな戦争やるから」
そうした地域だからだというのだ。
「一般市民相手でもね」
「容赦なしね」
「そうよ、むしろ一般市民でも」
非戦闘員とされる者達でもというのだ。
「武器手にして」
「戦う様なところね」
「民間人同士の殺し合いも」
「あるのね」
「そんなところだから」
「戦争になったら」
「生きられたらね」
そうであったらというのだ。
「そして五体満足なら」
「よしなのね」
「それで国が目的果たせたら」
「最高ね」
「ええ、何につけても生きられたら」
そうであったらというのだ。
「いいわ、戦争はね」
「そっちじゃそうしたものね」
「そうよ、起こったら」
その時はというのだ。
「もうね」
「生きることね」
「だからこの騎馬戦でも」
「生き残れたから」
「鉢巻取るのなんてね」
それこそというのだ。
「どうでもいいわよ」
「そうなのね」
「生き残れたら」
「それでよしね」
「ええ、ただ戦争ってのは」
「ないに越したことはないわね」
「私はクロアチア人で」
自分のことも話した。
「ここ色々な国の人いるでしょ」
「世界中から人来てね」
「それこそ北朝鮮の人以外はでしょ」
「皆いるわ」
「そんなところだから」
そうであるからだというのだ。
「セルビアとかね」
「クロアチアと色々ある」
「そうした国の人達もいるけれど」
「喧嘩するわよね」
「時々ね、けれど殺し合いなんてしないし」
それはなくというのだ。
「おおむね平和だからね」
「いいのね」
「そう思うわ、憎しみ合って殺し合っても」
そうしてもというのだ。
「それが続くだけで」
「どうにもならないわね」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
「本当にね」
「戦争はないことが第一ね」
「平和がね、平和であって」
「生き残れたら」
「幸せよ、だからあんたもね」
「鉢巻取れなかったけれど」
「生き残ったから」
だからだというのだ。
「幸せよ、よかったわね」
「そう言っていいのね」
「ええ、喜んでいいわ」
「それなら喜ばせてもらうわ」
一華はそれならとなって笑顔で頷いてだった。
そうして自分達のクラスの場所に戻った、その時時間を見ればもうすぐ運動会が終わる時間であった。
第百三十四話 完
2024・5・15
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