ドリトル先生と奇麗な薔薇達
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第二幕その十一
「あの要塞はとても堅固でね」
「中々攻め落とせなかったね」
「何でも日本軍人も弾薬も足りなくて」
「そんな中で攻めたから」
「苦戦は当然だったね」
「親友でもあった児玉源太郎さんが来て指揮権を譲って」
そうしてというのです。
「一緒に戦ったけれど」
「それでもだね」
「乃木大将の役割は大きかったよね」
「あの戦いでも」
「僅か五ヶ月で」
それだけでというのです。
「旅順要塞を陥落させたって」
「そうだね」
「そう言われてるね」
「日本以外の国では」
「そうね」
「そしてだよ」
先生は乃木大将についてさらにお話しました。
「次の奉天の戦いでは」
「大活躍したよね」
「あの人の率いる第三軍が攻めまくって」
「そして勝ったよね」
「他の軍が苦戦する中で」
日本軍のというのです。
「あの人の軍が活躍して」
「そしてだね」
「あの会戦で勝ったね」
「そう思うとね」
「あの人は凄いね」
「乃木大将は率いる将兵の人達の全力を引き出させて」
そうしてというのです。
「士気を極めて高いまま維持する人だったんだ」
「それ凄いよね」
「滅多にない能力だよ」
「そんな能力あってね」
「戦ったからね」
「稀有な名将だったよ」
そうだったというのです。
「あの人はね」
「そうだよね」
「どう見てもね」
「公平に見たらそうだね」
「物凄い名将だね」
「あの人は」
「それをよくわかっていた方は」
どなたかといいますと。
「明治天皇だったんだよ」
「そうだよね」
「あの方が一番ご存知だったね」
「乃木大将がどんな人か」
「よくね」
「そうだったよ、そしてね」
そうしてというのです。
「乃木大将を更迭しろって言う意見が出ても」
「そうされなかったね」
「あくまで乃木大将に任せたね」
「あの方は」
「そうだよ、乃木大将ならば」
そうであればというのです。
「部下の人達も戦える」
「そのことをご存知だったから」
「第三軍を任せて」
「最後まで戦って」
「そして要塞を攻め落として」
「奉天でも勝ったね」
「そしてあの会見もだったね」
先生はご飯を食べつつ言いました。
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