ドリトル先生と奇麗な薔薇達
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第二幕その十二
「師水営のね」
「そうそう、あの会見ね」
「あの会見は素晴らしかったね」
「本当に」
「降伏した敵将に帯剣での会見を認めて」
「礼を尽くしてね」
「軍人というのは戦争に勝つことが大事だけれど」
先生は真面目なお顔で言いました。
「それだけじゃないね」
「国家を背負ってるからね」
「恥ずかしい行いは駄目だよね」
「絶対に」
「それこそね」
「そう、何があってもね」
それこそというのです。
「そしてそれをね」
「あの人は果たしたよね」
「降伏した敵将に礼を尽くして」
「そして世界的に評価されたね」
「日本の名声を上げたね」
「そうしたからね」
だからだというのです。
「本当にね」
「素晴らしい軍人さんだよね」
「名将であって」
「そうであると共にね」
「だからね」
それでというのです。
「僕も言うよ」
「あの人は名将であって」
「そして素晴らしい軍人だったって」
「そう言うのね」
「先生も」
「そうだよ」
こう言うのでした。
「あの人はね」
「そうだよね」
「何でか戦後の日本ではずっと評価低かったし」
「当時でもだよね」
「随分批判されたんだよね」
「日本からしたら焦っていたからね」
そうだったというのです。
「一国も早く旅順要塞を攻め落としたかったのに」
「それがだね」
「日本から見て思う様にいかなかった」
「損害も出て」
「それで焦ってたんだね」
「物凄く堅固な要塞で」
またこのことを指摘する先生でした。
「人も弾薬も足りなかったんだ」
「それじゃあね」
「攻め落とせないのも道理だね」
「堅固な要塞で」
「人も弾薬も足りないなら」
「そうだよ、けれど攻略して」
旅順要塞をというのだ。
「そこにいる艦隊を壊滅させないとね」
「バルチック海からはるばるロシアの艦隊が来ていたし」
「旅順の艦隊と合流されたらね」
「戦力がアップしてもう日本海軍じゃ勝てない」
「そうした状況だったからだね」
「焦っていたんだ」
当時の日本はというのです。
「それで当時は乃木大将は何をやっているんだってね」
「なってだね」
「それで批判していたんだね」
「けれどその実は」
「乃木大将は凄かったね」
「そうだよ、その乃木大将がね」
まさにというのです。
「はじめたのがね」
「日の丸弁当だね」
「白いご飯の真ん中に梅干しを置いた」
「そのお弁当だね」
「そうなんだよ」
笑顔で言ってでした。
先生はご飯を梅干を食べました、その白と赤の色合いもとても奇麗でそちらからも楽しめる食べ方でした。
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