ドリトル先生と奇麗な薔薇達
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第二幕その六
「軍を率いることもありました」
「そうだったのですね」
「ローマ皇帝はインペラトールとも呼ばれ」
「それが英語のエンペラーの語源ですね」
「そうです、これは軍の最高司令官です」
「その意味がありますか」
「そうです、その軍の最高司令官が自分では軍を率いることが出来ないことは」
このことはといいますと。
「致命的な弱点でした、そこを衝かれ」
「確か反乱を起こされて」
「失脚して自殺していますね」
「そうでしたね」
「そうです、そのネロはです」
この人についてさらにお話するのでした。
「薔薇をこよなく愛していて」
「それで、ですか」
「薔薇に囲まれて暮らしていて」
そうであってというのです。
「薔薇の花が入ったプールに入り」
「泳いでいたのですか」
「食事にもです」
こちらにもというのです。
「薔薇は食べられるので」
「花びらがですね」
「そうですから」
だからだというのです。
「薔薇が入ったサラダを食べて」
「サラダですか」
「薔薇の香りがするお水を飲み」
飲みものもそうだったというのです。
「薔薇のプティングを食べていました」
「本当に薔薇が好きだったのですね」
「そうでした」
こう日笠さんにお話しました。
「あの人は」
「意外といいますか」
「言われていた姿と違いますね」
「はい」
日笠さんはまさにと答えました。
「そうした人だったのですね」
「そうです、それにです」
先生はさらにお話します。
「当時は民衆の支持も高かったです」
「貴族にはよく思われていなくても」
「民衆の為の政治を行い」
そうであってというのです。
「気前もよかったので」
「支持は高かったのですね」
「ですから死んだ後も」
自害してというのです。
「生きていてまた帰って来るとです」
「言われていたのですね」
「死んだと思っていた人達も」
「ネロを支持していたのですか」
「それでお墓にはお花が絶えなかったそうです」
そうだったというのです。
「そこまでです」
「ネロは支持されていましたか」
「政治自体はいいと言っていいもので」
そうであってというのです。
「民衆、平民や奴隷のことを考えたいたので」
「いい皇帝だったのですね」
「そうでした」
「実は暴君出なかったのですね」
「キリスト教が定着してから」
「キリスト教を弾圧したので」
「そうだったので」
だからだというのです。
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