星河の覇皇
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第八十六部第五章 傍目に見つつその三十二
「全く違いますね」
「左様ですね」
「我々としては」
「差別は存在していても制度化されていません」
「そこが全く違います」
「そしてそのカースト制度と戦う」
連合から見れば悪そのもののそれと、というのだ。
「英雄です」
「その御仁を批判し否定するなぞ」
「マウリアはおかしいですね」
「差別をなくそうとする人を攻撃するなぞ」
「それ自体が間違っています」
「マウリアはこれでは駄目です」
「全くです」
こう口々に言うのだった。
「この国はまだまだですね」
「差別が制度化されていてそれを守ろうという人がいるなぞ」
「それだけで駄目です」
「本当にそうですね」
「このことを見ますと」
「まことに」
本当にというのだ。
「ジャバル副主席は希望です」
「このマウリアにおける」
「差別をなくそうとする人です」
「その人を応援しましょう」
「是非です」
「我々は副主席の味方です」
「何があろうとも」
こうまで言うのだった。
「そうしましょう」
「ではです」
「これよりその副主席のお話をしましょう」
「是非共」
「一体どうお考えか」
「そのことをです」
「ここで聞きましょう」
是非にというのだ。
「そうしましょう」
「美味しいお料理を食べながら」
「そのうえで」
「そうしましょう」
こうしたことを話してだった。
彼等はジャバルと食事の場を持った、そのうえで。
ジャバルの話を聞いた、するとジャバルは会食の後で周りにこんなことを言った。
「いい客人達だ」
「はい、我々の理解者といいますか」
「応援団ですね」
「アウトカースト層への」
「そうですね」
「最高のだ、しかもだ」
只の応援団ではなくというのだ。
「それなりの資質を備えている」
「はい、無能ではないです」
「確かにマウリアへの造詣が足りない人もいますが」
「それでもですね」
「基本無能ではないですね」
「どの人達も」
「流石に大使になるとな」
その立場であるならというのだ。
「求人に応じての臨時雇いの様な者でもだ」
「それなりの素養がありますね」
「そもそもそうした人でないと面接を受けません」
「他国に長くいてもいいという様な仕事に」
「それもほぼ一人ですから」
「マウリア語を喋れなくてもいいそうだが」
大使の採用条件にだ。
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