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金木犀の許嫁

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第二十二話 里帰りの準備その七

「帰りに豚まんとアイスキャンデーを買って帰りましょう」
「里帰りの後で、ですか」
「はい、難波に寄って」
 真昼に笑顔で話した。
「そうしてです」
「そのうえで、ですか」
「そしてです」
 そうしたものを買って帰ってというのだ。
「こちらに戻った時にです」
「食べるんですね」
「そうしましょう」
 こう言うのだった。
「どちらも」
「そうですか」
「それとです」
 幸雄はさらに言った。
「お腹に余裕があれば」
「余裕がですか」
「はい、あればです」
 そうであればというのだ。
「ラーメンか」
「金龍ラーメンですね」
「カレーをどうでしょうか」
「カレーですか」
「はい、自由軒のカレーをです」
 これをというのだ。
「どうでしょうか」
「あそこのカレーは」
 どうかとだ、真昼は話した。
「いいですね」
「そうですね」
「はい、本当に」
「ですから」
 それでというのだ。
「私もです」
「提案されるんですね」
「はい」  
 まことにというのだった。
「今こうして」
「そうですか」
「あくまでお腹にです」
 そちらにというのだ。
「余裕があればですが」
「そうですね」
 真昼は幸雄のその言葉を聞いて言った。
「うちもおもてなしさせてもらますんで」
「それで、ですね」
「お腹の方は」
 こちらをというのだ。
「その時次第ですね」
「そうなんですね」
「ですがアイスキャンデーと豚まんは」
 この二つはというと。
「絶対にです」
「買って帰りますか」
「折角大阪に来ましたから」
 だからだというのだ。
「この二つはです」
「買ってですね」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「こちらに帰ってから食べましょう」
「そうしますか」
「次の日にでも」
 買ったその日のというのだ、幸雄は夜空に笑顔で話した。話す間に彼は頭の中で難波の蓬莱の店を思い出していた。
「皆で食べましょう」
「わかりました」
「それは豚まんで」
 それでというのだった。
「アイスキャンデーはデザートで」
「冷やしておくと何時でも食べられますね」
「そうですね」
「保存がです」
 これがというのだ。 
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