金木犀の許嫁
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第二十二話 里帰りの準備その六
「ちょっと」
「ワインまではですか」
「はい」
こう言うのだった。
「ですから」
「ケーキだけでいいですか」
「はい、ケーキでもです」
「本来は、ですね」
「遠慮したかったので」
こう考えていたからだというのだ。
「そこまでは」
「そう言われるのでしたら」
「お願いします」
「その様に」
幸雄もそれならと納得して頷いた。
「私も」
「はい」
「ケーキだけにさせて頂きます、ですがそのケーキは」
今度はそちらの話もした。
「美味しいお店を知っていますので」
「そちらで、ですか」
「買わせて頂いて」
そうしてというのだ。
「持って行きます」
「そうされますか」
「はい」
夜空に微笑んで答えた。
「それではです」
「そうして頂きますか」
「その様に」
こう言うのだった。
「私も」
「ではお願いします」
「大阪でしたら」
白華は姉妹の良心がいるその街のことから考えて話した。
「甘いものはアイスキャンデーですね」
「ああ、難波の」
真昼はアイスキャンデーと聞いて応えた。
「北極の」
「あちらですね」
「飲みものはみっくちゅじゅーちゅでね」
こちらでというのだ。
「それでね」
「アイスキャンデーですね」
「そうよね、私も好きよ」
北極のアイスキャンデーがというのだ。
「結構食べたわ」
「そうなんですね」
「大阪にいた時ね」
こう真昼に話した。
「本当に」
「そうでしたか」
「だからね」
真昼はさらに話した。
「帰りにでもね」
「難波の方に行ってですか」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「あちらでね」
「アイスキャンデー食べますね」
「それにね」
真昼はさらに話した。
「蓬莱の豚まんに」
「あれですか」
「知ってるわよね」
「大阪名物の一つですから」
白華は笑顔で応えた。
「私もです」
「知ってのね」
「何度か食べたことがありまして」
「やっぱり美味しいわよね」
「そうですよね」
「それならです」
幸雄は二人の話を聞いて笑顔で言った。
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