八条学園騒動記
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第七百五十四話 未成年なのでその六
「滑り止めをな」
「通ったのね」
「尚学生時代友達もな」
「いなかったのね」
「生きていてずっとな」
「まあ聞いてたら人に好かれないでしょうね」
エイミーはだからだと答えた。
「自分のことしか考えなくて思いやりも感謝の気持ちもないから」
「それでずっとな」
「お友達もなくて」
「このことはさっき言ったが」
その親戚に友達がいなかったことをというのだ。
「そうした人でな」
「人望と人徳がなくて」
「それでな」
「お友達もいなくて」
「学歴もな」
「なかったのね」
「ただ長男である」
そのことでというのだ。
「兄弟で最初に生まれたな」
「それだけで威張ってたの」
「それでそんな奴になった」
「屑としか言い様がないけれど」
「そうなった、学歴なんてどうでもいいものだが」
ダンが思うにだ。
「しかしそれで偉いと言う人はいるしな」
「その学歴もない人ね」
「ちなみに普通の工場の職人さんの息子だ」
「普通のお家なの」
「そこに生まれた。ただ親父さんが長男でな」
「長南さんの長男ね」
「直系になるからな」
だからだというのだ。
「このこともどうでもいいだろうが」
「それでそうなったのね」
「ああ、本当に親戚の中でもな」
「どうしようもない人だったのね」
「叔父さんにちょっと言われて怒ってな」
「どうしたの?」
「殴ってやろうかとか言ったり掴みかかったりな」
そうしたことをしたというのだ。
「品性も理性もな」
「なかったの」
「その叔父さんは脳梗塞から回復した人だが」
「その人に言われて」
「怒ったんだ」
「それでそんなことしたのね」
「今その叔父さんはお元気だが」
回復したがというのだ。
「このことには今も怒っている」
「そりゃ怒るわね」
エイミーも当然と答えた。
「自分の叔父さんしかも身体が悪い人なのに」
「周りも呆れてな」
「余計に嫌ったのね」
「そうなった、ちなみに母親だけはな」
「甘やかしていたの」
「この母親も最低でな」
そう言うしかない輩でというのだ。
「所謂毒親だった」
「あれでしょ、息子さんは」
「その母親の血をな」
「そういうことね」
「子供は親の背中を見て育つがその母親もだ」
ダンは苦い顔で話した。
「やはり煙草をな」
「吸っていたの」
「ああ、それで俺の中ではな」
「煙草を吸うと」
「どうしようもない屑の証だとな」
その様にというのだ。
「思うふしがある」
「流石にそれはね」
エイミーはダンのその話を聞いて応えた。
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