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おぢばにおかえり

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第八十一話 大教会でも一緒その八

 そのやり取りの後で女の子はにこりと笑って言ってきました。
「お姉ちゃんも頑張ってね」
「ひのきしんね、わかってるわ」
「あっ、そうじゃないから」
 何故か少し苦笑いで言われました。
「けれどお兄ちゃんとの約束だからね」
「今の?」
「そう、言わないね」
「何を言わないのかしら」
 思わず首を傾げさせてしまいました。
「一体」
「とりあえずお茶飲みなさい」
 いつもよくしてもらっている狭山の方の教会の奥さんが言ってきました。
「休憩でね」
「あっ、そうですね」
 私も言われて頷きました。
「お茶を飲んで」
「休む時は休まないとね」
「駄目ですよね」
「水分補給もしないとね」
 こちらもというのです。
「だからね」
「そうですよね」
「だからお茶飲んでね、阿波野君もね」 
 奥さんは新一君にも声をかけました。
「飲んでね」
「そうさせてもらいます」
「ええ、千里ちゃんもね」
「はい、ただ新一君一緒にって言ってますけど」
 奥さんにこのことを言いました。
「いいんですか?」
「というか悪いの?」
 私にくすりと笑って言ってきました、この人も奥華の人らしく奇麗な人です。本当に奥華の人は奇麗な人が多いです。
「阿波野君がいて」
「いえ、そう言われたら」
「理由はないでしょ」
「特に」
 本当にこう思いました。
「ないです」
「そうでしょ、だからね」
「それで、ですか」
「そう、阿波野君と一緒にね」 
 二人限定でした。 
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