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金木犀の許嫁

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第十八話 忍の家その三

「中に入ったから」
「そうなのね」
「だから」 
 それでとういうのだ。
「今はお寺にいる」
「そうなのね」
「だからうちにはいない」
 祖父母はというのだ。
「そう、ちなみに母方のお祖母さんは姫路」
「そちらで暮らしておられるの」
「こちらは普通のお家で」
「忍者とは関係ないのね」
「そう」
 まさにというのだ。
「そうなってるから」
「そうなのね」
「それでひいお祖母さんは」
 曾祖母のこともあらためて話した、そうしながら前を見ると下り坂はまだ続いていて麓には学園がある。
「伊賀の人で今も」
「伊賀におられるのね」
「そうして」
 そのうえでというのだ。
「穏やかに過ごされている」
「忍者は引退されて」
「道場をやっていたけれど」
 それでもというのだ。
「今はお祖父さんが継いでいて」
「それでなの」
「農家をして」
 そうしてというのだ。
「暮らしている」
「それでお元気なのね」
「うん、背筋もしっかりしていて頭も」 
 そちらもというのだ。
「しっかりしているから」
「それは何よりね」
「ただ言うには」
 本人がというのだ。
「昔と比べたら」
「違うの」
「腰が痛いとか」
「言われてるの」
「そう言っている」
 そうだというのだ。
「膝とかも」
「そうなのね」
「何でも歳を取ったら」 
 その時はというのだ。
「誰でもそうなるって」
「腰とか膝が痛くなるって」
「うん、言ってる」
 そうだというのだ。
「実際に」
「そうなのね」
「若い頃は元気でも」
「お年寄りになったら」
「それこそ誰でも」
「腰とか膝が痛くなるのね」
「それで」 
 佐京はさらに言った。
「太ったり禿げたりも」
「あるのね」
「内臓壊したり」
「胃とか肝臓とか」
「心臓も」
「弱ったりするのね」
「病気にもなって」
 歳を取ると、というのだ。 
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