神々の塔
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第五十七話 音楽の神霊その五
「そう言うたかもね」
「成程な」
「それでこの世を去って」
「天国でもか」
「そうしてるかもね」
「こっちの世界でもやな」
「うちもそう思ったわ」
話を聞いてというのだ。
「実際に」
「そやねんな」
「そやで。けど」
ここで綾乃はこうも言った。
「モーツァルトさんとどっちがお付き合いしやすいやろ」
「難しいな」
「そやな」
リーも芥川も即答出来なかった。
「お二人共な」
「かなりやったさかいな」
「モーツァルトさんもモーツァルトさんでな」
「邪気はなかったけどな」
「色々あれでな」
「どうかって人やったみたいやし」
「うちもちょっと聞いてたら」
綾乃はさらに言った。
「お二人共かなりやね」
「かなり過ぎるな」
「ほんまな」
「どうもな」
「色々あれ過ぎる人達や」
「何でもや」
シェリルが言ってきた。
「モーツァルトさんは音楽の才能が突出した」
「天才やったね」
「そう言うべき人で」
そうであってというのだ。
「さらに音楽だけをや」
「やってたんやね」
「元々才能が凄くて」
音楽のそれがというのだ、何しろ子供それも小学校入学前の様な年齢から作曲をしていたというからかなりのものだ。
「ずっと作曲してた」
「毎日努力してた」
「もう作曲せんとな」
そうしなければというのだ。
「苦しい」
「それ位作曲してた」
「努力どころかな」
作曲の為のというのだ。
「作曲が普通に息をする様なことになってた」
「努力を努力と思わへん」
「そう言うてええ様な」
そうしたというのだ。
「かなりの人やったらしいな」
「そやからあそこまでなったんやね」
「まさにな」
「天才やね」
「それに対してベートーベンさんは」
彼はというと。
「才能はあった」
「やっぱりね」
「しかしモーツァルトさんと比べると」
どうしてもというのだ。
「その才能は及ばずでな」
「色々悩んでたし」
「作曲してへんと苦しいか」
「そうやなかったんやね」
「そこまではいかへんで」
それでというのだ。
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