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星河の覇皇

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第八十五部第四章 メキシコの思惑その四十六

「予算と人手が他の軍を圧倒しているな」
「はい」
「エウロパでもそうでしたし」
「辺境外縁部の鎮圧でもでした」
「連合軍は物量で圧倒していました」
「予算と人手でも」
「中央政府軍は予算不足だというが」
 それでもというのだ。
「そして人手もな」
「充足率はギリギリで」
「そして予算も何とかやり繰りしている」
「そうした状況ですね」
「そう言われているが」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「それは主観のことですね」
「連合の中で見たもので」
「組織の中の見方ですね」
「そうだ、他の勢力から見ればだ」
 エウロパなりサハラ各国から見ればというのだ。
「最早だ」
「予算も人手もですね」
「圧倒的ですね」
「まさに」
「それで勝っていますね」
「その戦略も戦術も知略はない」
 即ち知恵はというのだ。
「まさにその他を圧倒する予算と人手の二つとだ」
「技術ですね」
「そうしたものを使い戦い」
「そして勝っていますね」
「それが連合軍ですね」
「そういうことだ、組織はまとまり」
 国防省の統括の下でというのだ。
「後は油断していない」
「決してですね」
「そこも重要ですね」
「油断しない」
「そのことも」
「油断すればだ」
 その時はというのだ。
「如何に人手と予算があってもな」
「それでもですね」
「そこから敗北につながりますね」
「左様ですね」
「予算と人手があっても敗れる」
 そうした事例も世の中では枚挙に暇がない、失敗も敗北に入れてのことだが歴史でも非常に多いことだ。
「その場合の多くはな」
「油断ですね」
「油断したその時にですね」
「失敗しますね」
「そして敗北しますね」
「そうなる、政治の場で油断をすれば」
 その時はというと。
「もう終わりだ」
「その時点で、ですね」
「ことをし損じ」
「かつ相手に付け込まれる」
「そうなりますね」
「そうなってだ」
 そしてというのだ。
「例え九分九厘成功していてもだ」
「それでもですね」
「そこから失敗し」
「そしてですね」
「その成功もふいになりますね」
「そうなる、油断するのは絶対にならない」 
 例え何があってもというのだ。 
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