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八条学園騒動記

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第七百三十話 種類が違うその十一

「無駄にしない、内臓もな」
「食べますね」
「煮たり焼いたり揚げたりしてな」
 そうして調理してというのだ。
「食べている」
「生でも」
「それは前にも話したが」
「ごく稀ですね」
「淡水のものだ」
 蛙はというのだ。
「その多くはな」
「星によっては下位水星の蛙がいても」
「両生類自体がな」
 蛙は両生類である、そうした意味でサンショウウオやイモリといった生きものと同類であるのだ。肌の質でそれがわかる。
「そうした種類もいるな」
「ウミガエルですね」
「そうだが普通はな」
「淡水生ですね」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「どうしてもだ」
「寄生虫がいますね」
「蛙の寄生虫も悪質だ」
 人から見てだ。
「中に入るとな」
「身体のですね」
「その時はだ」
「厄介なことになりますね」
「だから普通はな」
「蛙は生では食べないですね」
「清潔に養殖していないとな」
 さもないと、というのだ。
「生は危険過ぎる」
「左様ですね」
「だから大抵はな」 
 連合でもというのだ。
「蛙はな」
「焼いたり煮たり」
「揚げたりしてだ」
「食べますね」
「そういえばだ」 
 ここで大尉はふと思い出して言った。
「オーストリア王家のだ」
「あのお家ですか」
「あのお家がまだ皇帝、神聖ローマ帝国のな」
「オーストリア帝国ではなく」
「その国の皇室であられた時だが」
 この言葉を日本の薩摩星系の方言で話す、周りは連合それも日本人が多いが何を言っているかわからない。
「カール五世だったか」
「スペインで言うカルロス一世ですか」
「あの方も蛙がだ」
「お好きでしたか」
「ニシンや蛙の足や鰻のパイがお好きだったという」
「皇帝とは思えないですね」 
 その好物を聞いてだ、上等兵は思わずこう言った。
「当時でも」
「そうだな」
「はい、エウロパでも蛙は食べますが」
「連合程ではないがな」
「国によってはで」
「それであの方も召し上がられていた」
 カール五世もというのだ。
「そうであった」
「そうでしたか」
「ただな」
 大尉はこうも言った。
「あの方は残念だが健康ではなかった」
「痛風でしたね」
「それで非常に苦しんでおられた」
 このことは歴史にも書かれている。
「朝からビールを飲まれていたそうだ」
「当時のビールですね」
「当時のビールはプリン体が多くな」
 連合ではないビールが主流である。 
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