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八条学園騒動記

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第七百三十話 種類が違うその十二

「また痛風は完治しなかった」
「そうした病気でしたね」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「あの方もだ」
「苦しんでおられていましたか」
「当時のドイツ圏はな」
「誰もがビールを飲んでいたので」
「痛風が多かった」
「それで有名でしたね」
「国民病にだ」
 そこまでというのだ。
「なっていた」
「皇帝ですら」
「ビールのせいでな」
「当時のですね」
「私も大好きだ」
 ビールはというのだ。
「それでだ」
「よく飲まれていますね」
「そうだな」
「私もですが」
「ビールは友だ」
 こうまで言った、ここで。
「まさにな」
「人間にとってですね」
「酒は友でありな」
「ビールもですね」
「酒であるからな」 
 だからだというのだ。
「友になる」
「左様ですね」
「だから飲みその頃もな」
「飲まれていましたね」
「友としてな、しかし」
 それでもというのだ。
「当時のビールはだ」
「プリン体が含まれていて」
「それも多くな」
「だから飲むとですね」
「どうしてもだ」
 それこそ朝から飲む様な生活ならというのだ。
「痛風になった」
「左様ですね」
「ドイツ当時の神聖ローマ帝国はだ」 
 この国ではというと。
「誰もがビールを飲んだからな」
「それも日常的に」
「必然的にだ」
「痛風が多かったですね」
「カール五世に限らずな」
「確かルターも」
「そうだ、彼もだ」
 プロテスタントを拓いたことで有名な人物である、厳格なイメージがあるが実は仮定的で子煩悩な一面もあった。
「ビールをよく飲んでな」
「痛風でしたね」
「そうだった」 
「それに悩んでいましたね」
「便秘とな」 
 彼は便秘は悪魔が自分に及ぼしている災いと考えていた。
「痛風にだ」
「悩まされていましたか」
「そうだった」
「そうですか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「ビールの害毒について講義してもな」
「飲んでいましたか」
「そうだった。その直後にだ」
 その講義のである。
「何杯もな」
「ビールを飲んでいましたか」
「そうしていた」
「兎角ビール好きでしたね」
「そうだった、尚二十世紀の話だがヒトラーはな」
 連合では人類史上最悪の悪人の一人とされている人物である。 
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