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八条学園騒動記

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第七百三十話 種類が違うその十

「然程多くはない」
「犬を食べることは」
「猫も食べるが」
 この生きものもというのだ。
「同じだ」
「然程多くはないですか」
「何でもどちらもな」
 犬も猫もというのだ。
「牛や豚と比べるとな」
「美味しくないですか」
「やはり牛や豚の方がな」
 こうした家畜達の方がというのだ。
「美味いらしい」
「そうですか」
「今現在家畜化を進めているサバンナの生きもの達と同じか」
「まあ確かにです」
 上等兵は大尉の話をここまで聞いて述べた。
「犬や猫は然程です」
「美味くは見えないな」
「どうにも」
「私もだ、だから連合でもな」
「あまり多くは食べられないですね」
「それより牛や豚を多く食べ」
 そしてというのだ。
「魚をな」
「連合では食べますね」
「魚を養殖してな」
「大々的に食べていますね」
「海老や貝もな」
 こうしたものもというのだ。
「そして海草もな」
「連合ではよく食べますね」
「養殖してな、こうしたものの方がだ」
「犬や猫よりですね」
「ずっと食べられている」 
「やはりそうですね」
「そして犬を食べるにしてもな」
 大尉はこちらに話を戻した。
「惨たらしく殺さずにだ」
「今はですね」
「韓国もそうしてだ」
「食べていますね」
「即座に楽にしてやってな」
 そうしてというのだ。
「食べている、連合では食用の家畜を殺すのはな」
「楽に殺しますね」
「苦しませずに一瞬でな」
「そして隅から隅まで食べますか」
「そうする」
「そして食べれば」
「供養する、例えばツチブタを食べるとする」
 大尉はたまたま今目に入ったこの生きものから例えた。
「一瞬で苦しませずな」
「楽にして」
「供養もしてな」
「それから隅から隅まで、ですね」
「骨もスープにして尻尾や耳すらだ」 
 そうした部分までというのだ。
「しっかりとな」
「食べてですね」
「無駄をなくす、食べられなくともな」
「何らかに用いますね」
「そして可能な限りだ」
「捨てないですね」
「昔は蛙は脚だけ食べた」
 その部分が美味くだ。
「だが今はな」
「蛙全体をですね」
「食べる、頭や胴体もだ」
 蛙のそうした部分もというのだ。
「実にな」
「美味いのですか」
「その様だ」
「そうですか」
「それで全体を食べてな」
 蛙のというのだ。 
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