| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

神々の塔

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十九話 悪魔が教えることその十一

「見事だ、これでだ」
「私達は上に行けますね」
「私達を倒したのだからな」
 シェリルに確かな声で答えた。
「その資格を得た」
「そうですね」
「それ故にだ」
「これからですね」
「まずは宿屋に戻りだ」
「そこで休んで」
「それから上に行くのだ」 
 そうせよというのだ。
「いいな」
「はい、ほな」
「進め、まだ先は長く」
 そしてというのだ。
「神霊達も多いが」
「その試練に全部勝って」
「踏破せよ、いいな」
「ほな」
「これからの戦に期待する」 
 シトリそれに他の魔法達も微笑んでいた、そのうえで彼等の勝利を讃えていた。そこに邪悪さはみ微塵もなかった。
 それでだ、シェリルは宿屋で休みまた冒険を再開したところで言った。
「やっぱり悪魔でも魔王さんでもな」
「それだけで善悪は決まらんな」
「そやな」
 中里に話した。
「前の戦で実感したわ」
「あらためてな」
「悪はその人それぞれや」
「種族によって決まらへんわ」
「そや、ほんまな」
「そのこと覚えておかんとな」 
 そうでないと、とだ。中里も言った。
「失敗するな」
「ほんまそやな」
「ああ、これからもな」
 こうした話をしつつさらに先に進んでいくのだった、善悪とはどうして決まるかということを知ったうえで。


第四十九話   完


                  2023・11・8 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧