神々の塔
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第四十九話 悪魔が教えることその二
「そうしたもんでな」
「悪は他の人やものを自分の為だけに踏み躙る」
「そうしたもんや、そしてや」
中里にさらに話した。
「正義、黄金の正義とや」
「悪もあるな」
「悪、吐き気を催す邪悪もな」
「それや、吐き気を催す邪悪や」
中里は芥川が出したその言葉について述べた。
「それこそがな」
「悪やな」
「自分だけでや」
「他の人やものも利用してな」
「犠牲にしてな」
そうしていってというのだ。
「醜い行動を取り続ける」
「それが悪やな」
「天使さんでも弱い者いじめしたら正義か」
「違うわ」
芥川は一言で答えた。
「誰でもや」
「弱い者いじめしたらな」
「自分のストレス解消なり楽しみでな」
「そんなことしていたぶったらな」
「邪悪や」
天使であってもというのだ。
「そうなるわ」
「そや、そして悪魔さんでも自分を盾にして人を助けたら」
そうすればというのだ。
「純粋にや」
「正義になるわ」
「それで悪魔の神々と言ってええ魔神さん達もや」
魔王と呼ばれる彼等はというのだ。
「この世界の為に働いてくれてる」
「人やものの為にな」
「そうしてくれてるからな」
「正義になるな」
「天使長さん達もそうしてるしな」
キリスト教の神に仕える彼等もというのだ。
「それでな」
「どっちも正義やな」
「正義は一つやなくてな」
「対立することもあるな」
「善悪の対立やなくてや」
二元論のそれではなくというのだ。
「そうしたこともあるんや」
「正義は二つある、やな」
「もっと言えば三つや四つあってもな」
二つどころかというのだ。
「ええ、ましてな」
「まして?」
「自分を絶対の正義ってするとな」
そう定義すると、というのだ。
「人は間違えることが多いかもな」
「ああ、そんな人おるね」
綾乃はその言葉に頷いた。
「中には」
「それで悪とした相手を思いきり殴るな」
中里も話した。
「自分は絶対に正しいと思って」
「悪いと思った人やものを容赦なく攻撃する」
「もうそれこそな」
「何の遠慮も容赦もなく殴って」
「相手がどれだけ傷付いてもや」
「それで周りにもどう思われるか」
「わからん、そうなるとな」
中里はさらに言った。
「最もドス黒い悪かもな」
「それになるんやね」
「その悪を徹底的にいたぶったら」
その時はというのだ。
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