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神々の塔

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第四十九話 悪魔が教えることその一

               第四十九話  悪魔が教えること
 次の相手はグレモワールの七十二の魔神達だった、シェリルは塔のことが書かれた書でこのことを確認して言った。
「魔神というか魔王さん達も何度かに分けて出て来るな」
「天使長さん達と同じでな」
 中里が応えた。
「それでやな」
「大体八柱位ずつな」
「そうして出て来るな」
「それで今度も出て来るな」
「ああ、ただな」
 ここでだ、中里はこう言った。
「天使長さん達も魔王さん達もな」
「どっちもやな」
「邪悪さは感じることないな」
「よく悪魔が邪悪な話が多いな」
「天使が裏を返して独善でな」
「そうした話が多いけどな」
 それがというのだ。
「実際話してるとな」
「魔王さん達邪悪やないわ」
「天使長さん達が言うには丸くなってな」
「どっちもそれぞれ世界を思ってて」
「この世界を司ってるな」
「そやな」
「悪魔やから悪いか」
 中里は宗教によっては絶対のこととされているこの定義に対して首を傾げさせつつ意義を口にした。
「果たして」
「そやないな」
「悪魔がなぜ悪か」
 それはどうしてかというのだ。
「神を絶対の正義としてな」
「その神に逆らうからやな」
「悪になってるところがな」
「多分にあるな」
「そやな」
 これがというのだ。
「どうもな」
「魔王さん達と話してもな」
 芥川も言ってきた。
「どうもな」
「悪い印象ないな」
「むしろな」
 それでもというのだ。
「正義やな」
「あの人等もな」
「正義は一つやない」
「天使さん達も天使でな」
 中里も言った。
「それでな」
「悪魔さん達も正義や」
「そやな、悪は何か」
「実は難しい定義や」
「悪は存在する」
 中里は悪の存在自体は否定しなかった、むしろ肯定してそのうえで芥川に対してさらに話したのだった。
「それは薄汚くてな」
「他人を利用して踏み躙るな」
「私利私欲に基づいて」
「そんなもんやな」
「そや、悪魔さん達もな」
「そういうことする連中もおるけどな」 
 それでもとだ、中里は話した。
「それを言うとな」
「天使さん達もおるな」
「そや、そんな手合いはな」
「まさにそやな」
「光やから正義ではなくて」  
 そしてというのだ。
「それでいてな」
「闇も悪やない」
「光や光でや」
「善悪の基準ではないな」
「闇もな、正義は何か」
「それは人の為に何かしたり大切にする」
 芥川は言った。 
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