八条学園騒動記
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第七百二十九話 カバは狂暴その五
「非常に稀にしてもな」
「極端なエゴイストですね」
「鼬の出来損ないの様な、な」
そこまでのというのだ。
「極端なだ」
「エゴイストで」
「少ない、だがな」
それでもというのだ。
「いるにはいる」
「正常の範囲内ですね」
「そうだ」
こう答えた。
「まだな」
「そうですか」
「性格は極めて悪いが」
そう言っていいがというのだ。
「そこまでのエゴイストだとな」
「自分しかないですね」
「こうした輩は何があっても我だけを通し」
「自分さえよければいいですね」
「怨みっぽく何かあるとだ」
その時はというと。
「不平不満ばかりいいヒステリーもだ」
「起こしますか」
「存在自体が癌になる」
そうしたというのだ。
「まことに性格が悪いな」
「それも極めて」
「そうした輩だが」
「正常ではありますね」
「人間として屑と言っていいが」
そこまでレベルの低い輩だというのだ、こうした輩もまた何時でも何処でも人類社会には存在しているものなのだ。
「仏教で言う餓鬼になっているな」
「そこまで酷くとも」
「正常とな」
「言っていいですか」
「まあヒステリーが過ぎるとな」
その場合はというと。
「それはそれでだ」
「狂気だと思っていいですね」
「だがまだな」
「正常ですね」
「自分以外の生きもの全てを忌み嫌う位ならな」
それならというのだ。
「まだだ」
「いいですか」
「だがどんな花も嫌うなら」
それならというと。
「最早な」
「正常ではないですね」
「だからだ」
そう考えられるからだというのだ。
「即座にだ」
「病院に連れて行った方がいいですね」
「そして診てもらうべきだ」
「言われてみればどんな花も嫌う人は」
上等兵もそれはと答えた。
「私もです」
「会ったことがないな」
「一人も」
「私もない、だから言うのだ」
「そうした人はですね」
「異常者の中でもな」
「特に異常ですね」
「異常者の中の異常者とだ」
その様にもというのだ。
「言っていい」
「そうなのですね」
「花は植物園にあるが」
そちらにというのだ、八条学園にはそちらもあるのだ。
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