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八条学園騒動記

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第七百二十九話 カバは狂暴その二

「あまりな」
「美味しくないですか」
「犀もシマウマもでだ」 
 今度は犀だけでなくシマウマのコーナーも見て話した。
「彼等もな」
「食べられないですね」
「そうだ」
「食べられても」
「肝心の味がな」
 それがというのだ。
「やはりな」
「よくないのですね」
「何でも食べる国でもだ」
 連合のことであることは言うまでもない。
「しかしな」
「それでもですね」
「美味いものをだ」
「やはり食べますね」
「味がよくないとな」
「やはり食べないですね」
「連合は毒のあるものでも食べる」
 大尉はここでこうも言った。
「河豚でもな」
「あの魚ですね」
「河豚は皮や内臓に毒がある」
 テトロドキシンという猛毒である、トラフグ一匹で人間なら二十二人は死に至るまでに強い毒である。
「それで多くの犠牲が出た」
「河豚を食べてですね」
「しかしだ」
 それでもというのだ。
「連合ではな」
「食べていますね」
「元々日本で食べていた」
「そうですね、河豚といえばです」
「日本だ、尚中国でも食べていた」 
 この国でもというのだ。
「唐や宋の頃はな」
「かなり昔ですね」
「だが今は食べていてもな」
 中国でもというのだ。
「日本料理の一つとしてだ」
「食べていますね」
「そうなっている」
 実際にというのだ。
「まさにな」
「そうですね」
「それでその河豚もな」
「連合では食べますね」
「毒があってもだ」
 食べると死ぬまでのものである。
「それでもな」
「美味しいからですね」
「食べるのだ」
「左様ですね」
「だが逆に言うとだ」
 そうすると、というのだ。
「毒がなくてもな」
「まずいとですね」
「食べない」
 そうするというのだ。
「そうする」
「やはりまずいとなると」
「食べない、だからだ」
「象やキリン、犀やシマウマはですね」
「牛や豚と比べてそうだからな」
 その為にというのだ。
「どうしてもな」
「そうなっていますか」
「そうだ、まあ好奇心というか奇食でだ」 
 この趣味でというのだ。
「食べる者はいるがな」
「ああ、そちらで」
「連合は奇食でもな」
 これでもというのだ。 
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