八条学園騒動記
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第七百二十九話 カバは狂暴その一
カバは狂暴
大尉は上等兵を今度はカバのコーナーに連れて行った、カバは十頭程いて自分達のコーナーの水の中に浸っている。
そのカバ達を観てだ、上等兵は言った。
「あの、何かです」
「どうした」
「カバは実は狂暴で」
こう大尉に言うのだった。
「人も襲うとか」
「そうだ、危険を察すると反撃に出てな」
「人を襲うのですね」
「そうした事例が存在している」
嘘ではなくというのだ。
「だから猛獣とだ」
「言えますね」
「大人しくのどかに水の中にいるだけかというとな」
「違うのですね」
「巨体で体重もある」
「従って力も強いですね」
「そうだ」
その通りだというのだった。
「だから下手に挑発するとだ」
「大変なことになりますね」
「犀も危険だが」
この生きものも観て話した。
「カバもな」
「危険ですね」
「あの巨体で突進してきてだ」
またカバを観つつ上等兵に話した。
「体当たりを受けるとな」
「人間ではですね」
「只では済まない」
「死ぬこともありますね」
「そして噛まれてもな」
その場合もというのだ。
「やはりな」
「危険ですね」
「巨大な口に大きな歯がある」
「例え肉食でなくとも」
「危険であることはだ」
このことはというのだ。
「やはりな」
「事実ですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「それがカバだ」
「意外ですね」
「猛獣には見えないからな」
「ええ、全く」
「私もそう思っていた」
大尉自身もというのだ。
「士官学校に入るまでは知らなかった」
「それまでは」
「只水の中にいる」
「大人しい生きものとですね」
「思っていた」
そうだったというのだ。
「実際にな」
「それがですね」
「狂暴なのだ」
「だから迂闊には近寄らず」
「挑発等はな」
こうした行為はというのだ。
「しなことだ」
「それがいいですね」
「カバにはな」
まさにというのだ。
「そうすべきだ」
「左様ですね」
「そしてだ」
さらに言うのだった。
「連合ではカバは食べることはな」
「少ないですね」
「どうも味がな」
「よくないのですか」
「その様だ」
「そうですか」
「サバンナの生きものもどうやらだ」
彼等もというのだ。
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