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ハッピークローバー

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第百八話 乱痴気騒ぎはその十一

「一番よ」
「自分だけじゃなくて」
「そもそも人を殺すのが幸せね」
「キチガイですね」
「こんな人もいるのよ」
 世の中には実在する、所謂殺人快楽者である。
「こんな人幸せになったら」
「大変ですね」
「認められる幸せもあれば」
「そうでない幸せもありますね」
「自分だけ遊べたらよくて」
 それでというのだ。
「家事も育児も全くしない」
「最低ですね」
 理虹はすぐに言った。
「それって」
「そうした人もいてね」
 それでというのだ。
「そんな人の幸せもね」
「認めたらですね」
「皆迷惑するから」
 それ故にというのだ。
「本当にね」
「許される幸せと許されない幸せですか」
 かな恵は考える顔になって述べた。
「幸せもそれぞれですね」
「家事も育児もしないで遊んでばかりだとね」
「そんな人親失格ですね」
「しかもお仕事しないし散財ばかりで」
 そうでもあってというのだ。
「自分の好きなテレビばかり観るとかだと」
「家族としていられないですね」
「こんな人になったら」
 そうなると、というのだ。
「絶対に嫌われてね」
「何かあるとですね」
「皆助けないでね」
「不幸になりますね」
「死んでもね」
 そうなってもというのだ。
「言われるわよ」
「悪くですね」
「自分しか心にないっていうのは」
 それはというと。
「漢字にするとね」
「忌、ですね」
「まさに自分しかないならね」
「嫌われるってことですね」
「自分だけいい、幸せになりたいって人は」 
 そう考え動くならというのだ。
「自然とね」
「皆から嫌われて」
 そうなってとだ、かな恵も言った。
「幸せになれないですね」
「それで死んでもね」
「悪く言われますね」
「酷かったと死んでよかったとかもっと早く死んでればとかいいことなんてしなかったとかね」
「滅茶苦茶言われますね」
「そうよ、そうなりたくないでしょ」
「なりたい人いないですね」
 かな恵もそれはと答えた。
「まず」
「普通は嫌われたくないしね」
「そうですね」
「まあ人に好かれようとも嫌われようとも気にしない人は」
 そうした考えの人間はというと、というのだ。
「意地悪とか我を剥き出すこともね」
「しないですか」
「我関せずでね」
 その様にというのだ。 
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