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ハッピークローバー

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第百八話 乱痴気騒ぎはその十二

「自分の行く道をよ」
「進んでいきますか」
「そう、まあこうした人は放っておいていいわ」
「別に悪いことしないなら」
「自分さえよければいいんじゃなくて」
 そうでなくというのだ。
「他の人が幸せでもね」
「別にいいんですね」
「そう、エゴも出さないならね」
「問題は他の人を犠牲にしてですね」
「自分さえいいっていうね」 
 そうしたというのだ。
「碌でもない考えだとね」
「駄目ですね」
「本当に忌まれて」 
 漢字のままにというのだ。
「幸せは幸せの方からよ」
「逃げますか」
「人から嫌われて幸せからもね」
「嫌われますか」
「こんな人って欲も深くて図々しくて」
 そうした性分でというのだ。
「幾ら手に入れてもよ」
「不平不満ばかりですね」
「都合のいい時だけすり寄ってきて」
 他人にというのだ。
「そうでないと意地悪とかして人が退いたらね」
「その分入って来るんですね」
「そのうち誰からも嫌われて」
 そうなってというのだ。
「困っている時はそっぽ向かれて」
「幸せになれないですね」
「絶対にね」
 それこそというのだ。
「そうよ、そんな人も見てきたのよ」
「そうですか」
「性別や国籍に関係なくいて」
 こうした輩はというのだ。
「嫌われて幸せになれないのよ」
「不幸になるだけですね」
「幸せになりたいなら自分だけにならないことよ」
 かな恵達五人に告げた。
「思いやりや気配り、謙虚さもね」
「必要ですか」
「そうよ、人も至文も幸せにで」
「迷惑な幸せはですね」
「駄目よ、痴漢の幸せなんてね」
 店長はこうした輩の話もした。
「願い下げでしょ」
「逮捕して欲しいですね」
 一華が言ってきた。
「私は遭ったことないですが」
「やっぱりいるのよ」
「満員電車とかですね」
「一回間近で見たのよ」
「痴漢を」
「高校生がやったらしくて」 
 店長は一華達に今度は自分が見た事件のことを話した、言うまでもなく痴漢はれっきとした犯罪行為である。
「気の強そうなOLさんがやられたみたいで」
「その高校生をですか」
「手を掴んであんたしかいないって凄んだのよ」
「そのまま駅員さんに突き出したんですね」
「そこまで見てないけれど多分ね」
「そうなったんですね」
「他には多分痴漢されて」
 そのOLさんと同じ様にというのだ。
「電車出たところでお前何してるんだって」
「手を掴んだんですか」
「蹴飛ばしたのよ」
「凄いですね」
「ええ、まあ痴漢なんてね」
「そんな幸せは駄目ですね」
「幸せが犯罪なら」
 それにあたるならというのだ。 
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