八条学園騒動記
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第七百二十六話 チーターは実はその十一
「この国、日本でもな」
「ありましたか」
「人柱がだ」
ここでこの単語を出した。
「それだ」
「あれですか」
上等兵も応えて述べた。
「人柱というと城や橋を築く際に」
「そうだ、人を生き埋めにしたりしてな」
「その命で以てですね」
「城や橋が壊れない様に願ったが」
「あれもですか」
「そうかもな、ただこれもな」
人柱もというのだ。
「やがて否定された」
「迷信であるとされて」
「そうだ、中にはな」
大尉は自身が学んだ連合この時は日本のそれの話をした、連合についてそれだけよく学んでいるということだ。
「文字を石に刻んでだ」
「それを埋めてですか」
「神仏への祈願、人柱でなくな」
「それを用いていたのですね」
「毛利元就がそうした、そしてだ」
大尉は話を続けた。
「織田信長は墓石や地蔵を集めさせてだ」
「確か城の石垣にしましたね」
「あれは信仰心がないのではなくだ」
「織田信長に」
「墓石や地蔵にある霊力を用いたのだ」
「そうだったのですか」
「そうして結界を築く為にな」
城、これは安土城の話である。
「集めて用いていたのだ」
「ただ集めただけではなかったのですね」
「そうなのだ、信仰心があったのだ」
織田信長にはというのだ。
「無神論者だったと言う意見もあるが」
「その実はですね」
「彼なりの信仰心があってな」
それでというのだ。
「そうしていた、また彼はそうしてだ」
「人柱はですね」
「用いなかった」
「そうなのですね」
「そうだった、だが人柱があったことはだ」
日本にというのだ。
「事実でな」
「それで、ですね」
「今はな、生贄はな」
「凶悪犯の処刑ですか」
「それになっている、猛獣に食べさせることもな」
ジャガーも観つつ話した。
「あるしな」
「このジャガーにもですね」
「そうだ、尚ジャガーはアマゾンにも棲息している」
この密林地帯にというのだ。
「そしてその中ではかなりな」
「強いとされていますね」
「そうした猛獣だ」
「では危険ですね」
「人間にとってもな」
「やはりそうですね」
「そして神にもだ」
この存在にもというのだ。
「なっている」
「ジャガーもですか」
「テスカトリポカという神だが」
「確かアステカの戦い、スポーツの神ですね」
「そうだ、スポーツはな」
これを司る様になった理由も話した。
「連合は平和でな」
「戦争がないので」
「必然的に争うということでな」
「スポーツの神になったのですね」
「そうだ、他にも色々と司っている」
戦いやスポーツ以外にもというのだ。
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