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八条学園騒動記

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第七百二十六話 チーターは実はその十

「実にな。だが生きものの命はだ」
「大事にしますね」
「それが猛獣であってもな」
「人を襲った猛獣でも」
「そうした猛獣は一撃でだ」
 それによってというのだ。
「仕留めてだ」
「終わりですか」
「銃等でのな」
「人を襲った猛獣はいいのですね」
「彼等は生きる為に獲物を狩るな」
「はい」
 上等兵は一言で答えた。
「イタチは周りの生きものを全て攻撃する様ですが」
「それでもライオンや虎や豹はな」 
 こうした生きもの達はというのだ。
「あくまでだ」
「狩りであって」
「生きる為のことだからな」
「殺す場合もですか」
「一撃でだ」
 まさにそれでというのだ。
「苦しまない様にしてな」
「終わらせますか」
「そうする」
 こう上等兵に話した。
「猛獣の場合はな」
「猛獣の命は大事にするのですね」
「そして狩った猛獣達はな」
 その彼等の狩られた先のことも話した。
「食べてだ」
「隅から隅まで、ですね」
「利用して供養もだ」
 これもというのだ。
「行う」
「凶悪犯を処刑しても行わないですが」
「それでもな」
「つまり連合では凶悪犯は動物以下ですか」
「未満それも遥かに低いレベルにある」
 その命の価値はというのだ。
「塵芥程もだ」
「ないですか」
「そうなのだ」 
 こう上等兵に話した。
「その辺りの小石程もだ」
「価値はないですか」
「人の人権を踏み躙るならな」
「最早人権は不要なのですね」
「そうした考えなのだ」
「納得出来ないですね」
「当然連合内部でも異論が出ている」
 これもあるというのだ。
「この国も民主主義だしな」
「間違っていると」
「そうした意見もあるが」
 それでもというのだ。
「主流派ではない」
「少数派ですね」
「それもかなりのな」
「そうですか」
「そこははっきりしている」
 連合ではというのだ。
「死刑は肯定されていてだ」
「凶悪犯の人権は否定している」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「処刑をショーにしていてな」
「生贄の祭りの様であることは」
「はっきりしている」
「そうなのですね」
「そうだ、ただな」
 今度はジャガーを見てだ、大尉は話した。
「中南米の信仰はな」
「それはですね」
「かつては生贄なくしてだ」
「成り立たなかったのですね」
「世界各地で行われていたが」 
 生贄はというのだ。 
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