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ハッピークローバー

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第百四話 過ごしやすくなってその十一

「それでね」
「消化不良にもなって」
「食べたものがお鼻から出て」
「お口とお鼻が一緒になってね」
「口臭も酷くなって」
 歯磨きが出来なくなってだ。
「何かとね」
「大変になったそうだね」
「流石にこれはね」 
 理虹はどうかという顔で述べた。
「ないわ」
「そうだよね」
「ヤブ医者よね」
「何か最悪なお医者さんって土手医者っていうらしいけれど」
「それになるわね」
「そうだね」
 古田も否定しなかった。
「こんなお医者さんいたとか」
「信じられないわよね」
「うん、それで歯を全部抜いて」
 ルイ十四世はだ。
「その後の人生は」
「大変だったわね」
「そうなったね」
「長生きしたけれど」
 七十九歳まで生きた、在位は七十五年である。
「そのことはね」
「嫌だね」
「歯は大事にしないと」
 理虹は言い切った。
「やっぱり」
「だからなんだ」
「私も磨いてるの」
 そうしているというのだ。
「それであまりね」
「甘過ぎる、糖分が多いものは」
「あまりね」
「食べない様にしてるんだ」
「虫歯はならない」
 まずはというのだ。
「最初からね」
「それが大事だね」
「だから」
 そう考えているからだというのだ。
「果物の方をね」
「ビタミンもあるし」
「よく食べるわ」
「そうなんだね」
「お菓子も好きだけれど」
 それでもというのだ。
「そうした理由から意識して」
「果物の方が多いんだ」
「それでこの季節は」
 秋はというと。
「柿よ」
「毎日でも食べたいんだ」
「固くて甘いのをね」
 そうした柿をというのだ。
「そうしたいわ」
「そうなんだ」
「秋だからね」
 古田に笑顔で話した、電車の中で横に並んで座ってそうした話を笑顔でした。そうして家に帰ると。
 そうするとだ、夕食の時にだった。
 柿が出た、それで母に笑顔で言った。
「デザートでね」
「柿食べるでしょ」
「ええ、そうするわ」
 出した母に笑顔で言った。
「もう丸ごとね」
「かぶりつくの」
「固くて奇麗な柿色で」
 それでというのだ。
「凄くね」
「美味しそうでしょ」
「これ食べて」
 そしてというのだ。 
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