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ハッピークローバー

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第百四話 過ごしやすくなってその十

「おばさんになるとね」
「駄目なんだ」
「そう聞いてるけどね」
「歳取るとね」
 古田はその話を聞いて言った。
「新陳代謝がね」
「落ちるのよね」
「そうなるからね」
 だからだというのだ、こうしたことも年齢によって落ちるのだ。年齢を重ねると何かと落ちていくものだ。
「だから」
「歳取ると」
「太る人もね」
「いるわね、それに運動自体も」
 理虹は言った。
「する機会がね」
「歳取ると減るんだね」
「今は部活してるけれど」
「その部活もね」
「なくなるし」
「就職とかしたら」
「アスリートでもないと」 
「運動しなくなるね、まあね」
 ここで古田は言った。
「ジムとか通ったり」
「自分で走ったりして」
「泳いだりね」
「そうしたことしてる人はね」
「太らないね」
「そうよね」
 理虹もその場合はと頷いた。
「新陳代謝が落ちても」
「それでもね」
「そうね、じゃあおばさんになっても」
「身体動かすならね」
「太らないわね、けれど」
 理虹はそれでもと言った。
「私お菓子よりもね」
「果物なんだ」
「肥満よりもね」
「歯だね」
「いつも磨いてるけれど」
 それでもというのだ。
「あまり糖分が多いと」
「歯によくないね」
「まさか全部抜く訳にはいかないし」
「それやった人いるね」
「ルイ十四世さんよね」
 太陽王と呼ばれたフランス王である。
「フランスの娘が言ってたわ」
「有名人だしね」
「あの人変なお医者さんのお話聞いて」
 それでというのだ。
「歯が万病の元とか」
「物凄いこと言うお医者さんもいるものだね」
 古田はこの話を知っていたがそれでも引いて言った。
「つくづく」
「何考えてるのか」
「わからない位だね」
「しかもこの人のお話を聞いて」
「ルイ十四世さんそれならってなって」」
「歯を全部抜いたのよね」
 ルイ十四世四十一歳の時である。
「麻酔なしで」
「洒落にならない位痛そうだね」
「それを耐えきって」
 国王の誇りにかけて声一つ出さなかったという。
「抜いた後を火ゴテで穴埋めして」
「それも滅茶苦茶痛そうだね」
「熱くて、しかも手術が失敗して」
 その医者のそれがだ。
「お鼻とお口がつながって」
「もっと酷いことになって」
「歯磨き出来ないし」
「お鼻に食べたものがいって」
「噛めないしで」
「何かと大変だったんだよね」
「柔らかいものしか食べられなくなって」
 歯がなくなったから当然のことだ。 
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