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星河の覇皇

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第八十五部第三章 北京星系を見てその四

「大事よ」
「エラーは出ますね」
「どうしても」
「スポーツでも政治でも」
「そうですね」
「そうよ、人はミスを犯すわ」
 伊東は自分の人間観から話した。
「どうしてもね」
「左様ですね」
「そのことは避けられないですね」
「どうしても」
「政治の場においても」
「それは出ますね」
「してしまうわ、私にしてもね」
 伊東は今度は自分のことを話した。
「どうしてもね」
「ミスをされますか」
「首相にしても」
「左様ですか」
「エラーをね、あのオジー=スミスもエラーをしたわ」
 二十世紀後半の大リーグの名ショートである、その守備はチームの防御率を一点か二点は下げていると言われていた。
「人間だからね」
「だからこそですね」
「誰もがエラーをしてしまいますね」
「どうしても」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「私はそれは仕方ないわ、けれど」
「問題はそれからですね」
「エラーをした後ですね」
「それをどうカバーするか」
「それが大事ですね」
「そうよ、野球ではエラーをしてね」
 そしてというのだ。
「その後が肝心ね」
「左様ですね」
「どうしてもですね」
「そこでどうするか」
「エラーでランナーを出しても増やしても」
「得点を許してもですね」
「そうなったら」
 まさにというのだ。
「後はね」
「どうするか」
「これ以上ミスを犯さない」
「気を引き締めて対処することですね」
「これ以上の得点は許さない」
「進塁もですね」
「それが大事で」
 それでというのだ。
「ピッチャーならね」
「エラーで気を落としても」
「それでもですね」
「気を取り直し」
「しっかりしたピッチングを行うことですね」
「若しエラーでノーアウトで得点圏にランナーを許しても」
 そうなってもというのだ。
「三者三振に取ればね」
「それで、ですね」
「抑えることですね」
「力と技でそうする」
「そのことが大事ですね」
「そうよ、だからエラーを出した後は」
 それからはというのだ。
「気を取り直して」
「それで、ですね」
「抑える」
「政治も同じですね」
「それはまた」
「そうよ、カバリエ外相はそこから攻めて来るけれど」
 彼女の性格からして当然だというのだ。 
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