八条学園騒動記
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第七百二十四話 ゴリラの素顔その六
「東欧、リトアニア方面に向かったな」
「東宝十字軍もでしたね」
「アルビジョワ十字軍もな」
南フランスの方の十字軍である、こちらの攻撃対象はカタリ派だった。
「それこそ敵とみなすとだ」
「殲滅しかなかったですね」
「そうだった」
「まさに極端なヴィーガン主義者と同じですね」
「そうだな、兎角な」
「ああしたカルトになると」
「どうにもならない」
それこそというのだ。
「他人を全く認めないからな」
「自分達以外は敵ですね」
「それではな」
最早というのだ。
「ゴリラの方がだ」
「遥かにいいですね」
「何度も言うがゴリラは平和だ」
そうした生きものだというのだ。
「他者を認めないこともだ」
「しないですね」
「他の生きものが肉を食べてもな」
例えそうしてもというのだ。
「何もだ」
「しないですね」
「そのゴリラの平和主義にだ」
それにというのだ。
「人は学ぶべきかもな」
「平和で暴力を振るわない」
「軍人でもな」
即ち自分達でもというのだ。
「極端な思想はな」
「持つべきでなく」
「そしてだ」
「何もないならですね」
「武器を手にすることもな」
軍人ならば絶対に持たねばならないがというのだ。
「必要でないならだ」
「持たないことですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そうあるべきだ」
「ゴリラの様に」
「普段はな」
「平和であるべきですね」
「そうも思う、現に連合は平和の中でだ」
千年に及ぶそれの中でというのだ。
「彼等は繁栄しているな」
「左様ですね」
「その連合の様にだ」
まさにというのだ。
「平和であってもだ」
「いいのですね」
「平和の中で備えを怠っては論外だが」
それでもというのだ。
「やはり普段はな」
「穏やかでいいですね」
「ゴリラの様にな」
「連合は実際に平和の中で繁栄していますし」
「それでだ」
こう上等兵に話した。
「いいのだ」
「そうですか」
「ゴリラの様にな」
「平和の中で反映する」
「戦わずな、若しゴリラが文明を持てば」
どうなるかもだ、大尉は言った。
「きっと極めて平和で穏やかで戦いもだ」
「ない様なですね」
「文明にな」
「なっていましたか」
「今の人類の様になっていたかどうかは知らないが」
それでもというのだ。
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