八条学園騒動記
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第七百二十四話 ゴリラの素顔その四
「正しく認識されていてな」
「悪役ではないですね」
「常に穏やかで聡明なだ」
そうしたというのだ。
「素晴らしい生きものとしてだ」
「創作に出ていますね」
「そうなっている」
こう言うのだった。
「連合ではな」
「そうですか」
「野菜や果物しか食べずだ」
「完全なベジタリアンで」
「そして暴力も振るわないだ」
それもないというのだ。
「素晴らしい生きものだ、精々胸を叩いてだ」
「威嚇するか」
「糞を投げる位だ」
「糞ですか」
「それを投げてだ」
自分が出したそれをというのだ。
「抵抗する位だ」
「糞なぞ投げられても」
そうされてもとだ、上等兵はその話を聞いて言った。その顔を怪訝なものにさせてそうして言うのだった。
「別にです」
「何ということはないな」
「そうですが」
「だから棒の一本でも持っていればだ」
それだけでというのだ。
「倒せるのだ」
「そうした生きものですね」
「それでいて非常に聡明で心優しいからな」
「連合ではですね」
「ゴリラは素晴らしい生きものだとだ」
その様にというのだ。
「認識されていてだ」
「創作でもですね」
「出ている」
「そうですか」
「そしてだ」
大尉はさらに話した。
「若し子供がそのコーナーに間違って入ってもだ」
「落ちたりして」
「そうしてもだ」
「襲わないのですね」
「全くな」
「そうですか」
「むしろ助ける位だ」
そうするというのだ。
「むしろな」
「そうですか」
「だからな」
「ゴリラは恐れることはないですね」
「全くな」
こう言うのだった。
「森の賢者なのだ」
「怖ろしいどころか」
「連合の童話で子供が熱帯の山や森で困っているとな」
「ゴリラが助けてくれるのですね」
「オランウータンの場合もある」
この生きものもというのだ。
「その場合もな」
「子供を助けるのですね」
「オランウータンも同じだ」
「穏やかで優しいのですね」
「そうした生きものだ」
「そうですか」
「だからな」
それでというのだ。
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