ドリトル先生の落語
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第十一幕その八
「自分は図書館に並んで本を借りているんだとか言ってね」
「それおかしくない?」
「お金と時間かけて手に入れた本と借りた本は違うよ」
「自分のものと借りものじゃね」
「自分が大事にしているもの暴力で滅茶苦茶にされたんだよ」
「それが辛くない筈ないじゃない」
「図書館で借りた本は結局自分のものじゃないしね」
皆もおかしいと言いました、先生のお話を聞いて。
「それわからない?」
「思想家さんが」
「それも戦後日本最大の思想家でしょ」
「そう言われていたのに」
「わからないのかしら」
「それがわかっていないからだよ」
先生は言いました。
「言ったんだよ」
「そういうことだね」
「つまり戦後日本最大の思想家ってその程度なんだ」
「そんなこともわからなくて言われてたんだ」
「そうなのね」
「僕は吉本隆明を全く評価していないよ」
先生は断言しました。
「まさに読むだけ時間の無駄のね」
「何の意味もない」
「そんな人だっていうのね」
「吉本隆明って人は」
「こんな極めてレベルの低い人がそう言われるんだから」
戦後日本最大の思想家と、というのです。
「推して知るべしだね」
「全くだね」
「いや、戦後日本の思想家さんって凄いね」
「そんな人が持て囃されるって」
「持て囃す人のレベルも知れてるね」
「それこそね」
「うん、そんな人達が知識人に多かったことがね」
先生は眉を曇らせてお話しました。
「問題だね」
「全くだね」
「そうした人達が学校の先生やマスコミ関係者だと」
「どうかってなるわ」
「何かテレビがおかしいのも」
「そこからもわかるかしら」
「元々知的レベルがどうしようもなくてね」
そしてというのです。
「情報を独占してお金と権力を持って」
「ああ、特権化だね」
「そうなったんだね」
「情報って実際お金と権力になるから」
「それでよね」
「そうもなってね」
そしてというのです。
「やりたい放題になって」
「どんどんおかしくなって」
「それで番組の作り方もそうなって」
「面白くも何もなくなって」
「今の状況なのね」
「そうだよ、今のテレビのお笑いが面白くないのは」
それはといいますと。
「こうした色々な理由があるだろうね」
「成程ね」
「ただ面白くないだけじゃないんだ」
「そこには色々な原因があるんだ」
「知識人のレベルの低さやマスコミの腐敗」
「そういうものがあってなんだ」
「そうだよ、吉本隆明もテレビはよく観たそうだよ」
先生が全く評価しないこの人もというのです。
「どうやらね」
「それで余計に駄目になったのかな」
「元々レベルが低くて」
「さらにかな」
「そうなのかしら」
「そうかもね、いや本当にテレビは」
先生は心から思って言いました。
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