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星河の覇皇

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第八十五部第二章 日本大使館その一

               日本大使館
 伊東が北京星系に赴いている頃日本は暇ではなかった、首相がおらずとも国家は常に動いているからだ。
 それは内政や貿易だけでなく外交もだ、外務省はこの時まさに手空きの者は一人もいないという状況だった。
 それでだ、外務省の灯りが消えない時はなくその中で彼等は働き詰めだった。
「各国政府との交渉も大事だが」
「中央政府はどうだ」
「外務省はもう動いている筈だ」
「情報収集ははじめている」
 このことは間違いないというのだ。
「それならだ」
「情報は隠さないとな」
「細かいものもだ」
「パソコンのセキュリティは万全にすることだ」
「ここのスマートフォンもだ」
 こちらのセキュリティもというのだ。
「中央政府はサイバー攻撃もしてくる」
「中々足は出さないが」
「あちらはそれも得意だ」
「情報収集には手段を選ばない」
 このことは各国政府も同じだ、無論日本政府も。
「どんな手段を使っても情報を得てくる」
「中央政府外務省にはサイバー担当もある」
 勿論表向きには他の名称である。
「彼等が動くぞ」
「いつものことだ」
「だからな」
「セキュリティは万全にしておこう」
「外務省だけでなく個人もまた」
「また会話もだ」
「盗聴器には気をつけよう」
 こちらにもというのだ。
「何処に仕掛けてあるかわからない」
「以前ある政府の情報が漏れた」
 中央政府にである。
「後でわかったが外務省に盗聴器が仕掛けてあった」
「机の裏にな」
「ゴミ箱の底に仕掛けてあったこともあった」
「兎角中央政府はどんなこともする」 
 サイバー攻撃も盗聴器の使用もというのだ。
「行きつけのバーに客としていたりもしたしな」
「そこから酒の場での話を聞いて情報を手に入れる」
「そんなこともする」
「壁に耳あり障子に目ありだ」
「まずはそこからだ」
「情報を守ることだ」
「そこを徹底していこう」
 こう話してだ、そしてだった。
 ある者がこんなことを言った。
「問題は大使だな」
「そうだな、中央政府の日本大使館だ」
「あちらの大使だ」
「あの大使は手強い」
「煮ても焼いても食えない」
「そうした厄介な人物だ」
 こう話すのだった。
「実にな」
「だからこそだ」
「警戒はしておくことだ」
「絶対に油断は出来ない」
「今も何を企んでいるかわかったものではない」
「あの手この手で仕掛けてくる」
「そうした人だからこそ」 
 まさにというのだ。
「あらゆることに注意していこう」
「絶対にな」
「そうしていこう」
「さもないと足元をすくわれる」
「こちらがな」
 日本の方がというのだ。 
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